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口論時の男女差

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 男女間で発生した口論がエスカレートすると、男性は最終的に無視という行動で会話を打ち切る傾向があります。

男性、最終的に「無視」

 ワシントン大のJ・ゴットマン心理学部教授は、口論が激しくなると男性の心拍数は上昇し、無視という行動に出る直前には100超になることを突き止めました。この時、臨戦態勢を作るアドレナリンが大量に流れ出しています。

 こうなると理性的な判断や知的な反応はもはや不可能。他人との会話を避けたくなり、人によっては攻撃的になります。

女性は比較的冷静

 一方、女性の場合は、口論がエスカレートしても心拍数は低く保たれたまま。カッとなって一時的に上昇しても意識的に気分を落ち着かせようと努力するため、平常の状態に早く戻ります。

進化の過程で生じた?

 こうした男女差は、進化の過程で生じていると考えられます。

 太古の昔から男性は狩猟を担当し、常に警戒心を働かせる必要がありました。獲物と遭遇すると、息の根を止めるまで攻撃の手を緩めることなく戦いました。ひとたび警戒態勢に入るとそれが長時間維持され、なかなか解除されません。

闘争を避けるため

 現代においても、男女間で口論が生じると男性はすぐに警戒態勢に入り、口論が激しくなると闘争本能に火が付きます。実際に攻撃的な行動をとらないよう、ギリギリのところでそれを回避するため無視という行動に出ると考えられます。
          
 男性は、無視という行動が男女間の溝をさらに深めてしまうことを肝に銘じておく必要があります。女性は、そこまで追い詰めないという心配りが必要です。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医。

山形徳洲会病院

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