山形コミュニティ新聞WEB版

どうしました?内科

それってアレルギー?③

Share!

 一般に食物アレルギーは原因となる食べ物を食べるとすぐに症状が出ますが、食べただけでは症状は出ず、直後に運動をすると症状が出る食物アレルギーがあります。

FDEIAとは?

 このタイプの食物アレルギーを「食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)」といいます。食後1~2時間以内の運動で現れる症状は、じんましんや呼吸困難、腹痛、ひどい場合には意識を失うこともあります。

 原因となる食べ物で最も多いのは小麦で、次にエビやカニなどの甲殻類が続きます。まれですが果実や野菜という報告もあります。

生命にかかわることも

 FDEIAは食物アレルギーと診断されていない人が発症するケースが多く、10~20歳代の男性に目立ちます。

 その発症メカニズムは詳しくは分かっていませんが、食後に体を激しく動かすと血流が増え、小腸から栄養が吸収されやすくなります。その結果、許容量を上回るたんぱく質が一気に取り込まれ、アレルギー反応(アナフィラキシー)に至る可能性が考えられます。

歩行や入浴でも

 ただFDEIAを誘発するのは激しい運動ばかりではありません。歩行や入浴など少しでも体に負荷がかかる活動によって誘発されることも。

 また、かぜやストレス、消炎鎮痛薬(ロキソニンなど)を内服している場合なども発症しやすいといわれています。

少しでも症状あれば

 治療や予防のためには、原因となる食品を特定し、運動する前にはそれらを摂取しないようにすることが大切です。   

 「最近、運動するたびに何かおかしいな」と感じることがあれば、近くのクリニックに相談してみましょう。

十日町ようへい内科クリニック 院長

中本 洋平(なかもと ようへい)

1978年(昭和53年)、岩手県盛岡市生まれ。新潟大学医学部を卒業後、新潟市民病院などで内科医として研鑽を積む。2024年10月に十日町ようへい内科クリニックを開業。総合内科専門医、感染症専門医、Japanese Medical Emergency Care Course(JMECC)インストラクター。

記事閲覧ランキング

  • 24時間
  • 週間