医学のうんちく/二本指の法則と幸運

2022年1月14日
 1988年に英国の心理学者であるジョン・マニング博士は、胎児期に曝露した男性ホルモンの量で人差し指と薬指の長さの比率が決まるという「二本指の法則」を報告しました。

人差し指と薬指の長さ

 男性ホルモンを多く浴びると薬指が、女性ホルモンを多く浴びると人差し指が長くなるというのです。人差し指(2D)と薬指(4D)の長さの比率(2D:4D比)が1以下なら薬指が人差し指より長いということになります。
 測り方は、指をそろえ、手のひらに一番近いしわから指の先端までをミリ単位で測定します。

医学のうんちく/二本指の法則と幸運

運動・音楽能力を左右

 2D:4D比が低い男性は、男性ホルモンが高く、スリルを求め、攻撃的で自己主張が強い、運動・音楽能力が高い、生殖能力・心機能が強いという傾向があります。
 一方、言語能力が低い、自閉症になりやすい、感染症や前立腺がんにかかりやすい傾向もあります。

顕著に現れるのは右手

 米ハイポイント大の研究チームは2021年、176人の成人(男性102人、女性74人)を対象に2D:4D比と男性ホルモンの影響を受ける体組成指標(骨塩量、骨密度、体脂肪率)およびポーカーの役の強さとの関連を検討しました。
 その結果、男女ともに2D:4D比が低いほど骨塩量が低下していることが分かりました。骨密度との相関は男性に、体脂肪率との相関は女性に認められました。
 男性では2D:4D比が低いほどポーカーの役は強くなり、最も強い相関を認めました。ほとんどの相関は、男女ともに左手よりも右手で認められました。

収入にも影響

 09年の英ケンブリッジ大の研究で、株トレーダーの2D:4D比は収入が多いほど低い傾向がありましたが、ポーカーの役の強さと無関係ではないのかもしれません。


医学のうんちく/二本指の法則と幸運
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院院長
笹川 五十次
(ささがわ・いそじ)1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。