《おしえて!編集長》今年の灯油価格は?

朝晩、寒くなってきましたね。
冬の気温は例年並み?
「そうだね。特に18日朝は全国各地でこの秋一番の冷え込みになった。東京で9.2度と初めて10度を下回ったほか、大阪市、名古屋市、福岡市でも今季最低だった」
「気象庁によれば、西高東低の冬型の気圧配置になり、列島に寒気が流れ込んでいることが原因らしい。この影響で県内でも18日、蔵王山、雁戸山、鳥海山で初冠雪が観測されている」
「ただ気象庁が先月24日に発表した10~12月の全国の3カ月予想だと、気温、降水量ともほぼ平年並みらしい」

気になる灯油の価格ですが。
値上がりは必至
「気温が例年並みで、とりわけ品薄にならないにしても、今年は値上がりするのは間違いない。何となれば〝原料〟になる原油の価格が高騰しているからなんだ」
「原油の価格はニューヨークの先物市場で決まるんだけど、10月8日には1バレル(約159リットル)83ドルと約7年ぶりの高値をつけた。1月からの上昇率は何と約70%にも及ぶ」
どうして原油が値上がりしているんですか?

背景は世界経済の回復
「誰でもそう思うよね。順を追って説明していくと、世界でコロナワクチンの普及が進み、停滞していた経済が正常化に向かっているんだ」
「それに伴ってガソリンや灯油などの石油製品、ポリエチレンやポリスチレンといった石油化学製品の需要が拡大響いている」
原油、100ドル説も
原油価格の今後は?
「年内に値下がりすると予想する関係者やアナリストは少数派。大半は当面は上昇傾向が続き、来年前半に100ドルに達するという見方もある」
じゃあ、灯油の値上がりもやむを得ないんですね。

円安も値上げ要因
「日本は原油のほぼ全量を輸入に依存していて、為替がドル高・円安基調にあることも国内の石油会社にとってはコストアップ要因になる」
「というわけで石油会社は系列の販売店やスタンド向けの出荷価格を徐々に引き上げていて、販売店らはこれを売値に転嫁せざるを得ない状況なんだ」
「資源エネルギー庁が13日に発表した11日時点の灯油の配達価格(18リットル当たり)は全国平均で1972円で、前年同期に比べ23%高の水準。県内も1912円で同29%上昇している」
今季は忍の一字
ガソリンも高いですもんね。
「そうだね。レギュラーガソリンの全国平均は1リットル当たり162.1円で、水準としては14年10月以来約7年ぶりの高値だそうだ。県内は同167.6円だ」
今季は苦しい家計のやりくりを迫られそうですね。