《セピア色の風景帖》第153回 国民宿舎西蔵王山荘

2021年7月9日
 西蔵王の山頂付近には今でこそ宿泊施設が皆無になったが、かつてテレビ塔付近に西蔵王ガーデンと近江屋旅館別館・ホテル西蔵王の2軒、加えてその東に位置する西蔵王スキー場の横には国民宿舎西蔵王山荘があり、それぞれがレジャー客を集めていた。
《セピア色の風景帖》第153回 国民宿舎西蔵王山荘

 西蔵王スキー場にはゴンドラやリフトはなく、ロープトウだけだったが、学校のスキー教室や蔵王スキー場に行くほどお金をかけたくない親子連れなどが訪れていた。
 初心者向けのコースだったが、リフトに比べロープトウの利用は難しく、よく途中で転んでいる人がいたものだった。
 それでも泊りがけでスキーに来る人は結構いて、昭和47年竣工の西蔵王山荘に泊まって過ごす人は多かった。
 日帰りでもここのロビーを借りて子供にスキーウェアを着せる人もいたが、山荘は寛大にも無料でこれらの人々を快く受け入れていた。

《セピア色の風景帖》第153回 国民宿舎西蔵王山荘

 国民宿舎という性格上、この商売っ気のなさがあだになったのか、平成の中ごろになると経営は不調になり、平成16年、閉鎖した西蔵王スキー場と運命を共にするように廃業してしまった。(F)