マルナカ中村商店(山形市)社長 中村 祥之さん

2021年3月26日
中村 祥之(なかむら・よしゆき) 1973年(昭和48年)、13年(大正2年)から続く老舗食品卸・マルナカ中村商店の創業家長男として生まれる。山大附属小・中学校、山形東高から横浜市大商学部に進み、卒業後、首都圏の食品関係企業を経て2001年から家業へ。05年常務、13年専務を経て14年社長就任。県小麦粉卸商組合会長、山形市蔵王倫理法人会副会長、山大附属中同窓会幹事長なども務める。48歳。
マルナカ中村商店(山形市)社長 中村 祥之さん

企業は永続することが何より
  近江商人の「三方よし」の哲学で

――最近、わりとヤンキー系(?)の経営者が続いちゃって(苦笑)
 「皆さんバイタリティーのある方々みたいで」

創業108年!

――これぞ老舗!
 「創業は江戸時代で、近江商人の流れを汲む祖先が婿養子に入り山形市で総合卸売業を始めたのが始まりです。本家筋は同業の丸太中村さんで、弊社は大正2年に分離独立、今年で創業108周年を迎えました」
 「扱っているのは砂糖や小麦粉を中心に食用油、酒類、調味料など食品原料全般で、アイテム数はざっと4000品目。県内の方ならどこかしらで弊社が扱う原料を使った食品を口にされていると思います」
――日東ベストさん、でん六さん、ヤガイさんといった大手有名どころにも納入されてるみたいで。
 「お取引先からのご贔屓をいただき、ここ数年の売上高は18億円前後で安定してます。ただこの先、コロナの影響がどう出てくるか不透明なところはありますが」
 「取引先は大手ばかりじゃなく、むしろ件数では中小の菓子屋さんやパン屋さん、製麺屋さんなんかが多い。そんな取引先の方々と一緒に市場を拡大していくことが課題で、弊社の存在意義もそこにあると考えてます」
――ふ~ん。

新市場を開拓

 「既存のものを右から左へ流しているだけだと必ずジリ貧になる。そうじゃなくて、新しい市場を切り開いて、取引先が潤えば弊社の扱いも増えますし、地域も発展しますから」
――いわゆる「三方よし」ってやつね。
 「ルーツが近江商人ですから(笑)」
――実家を継ぐっていうのは幼少のころから?

商売は地道に

 「男は私1人でしたから、物心ついた時には周囲から。いわゆる“すり込み”ですね(苦笑)」
――取引先は企業だけ?
 「すべてB to B(企業間)です」
――B to C(消費者向け)は考えない?
 「お取引先と競合することになりますから。かつて社名変更も議論したことがありましたが、結局は、親しんだ名前を残す方がいいだろうと」
 「企業は永続することが第一。目立つことをして一時的に売上を伸ばしても必ず反動がくる。地道に徹して、次代にバトンを渡すのが私や弊社のミッションなのかなと」
――堅実だよねえ。
 「近江商人ですから(苦笑)」

バトンは1人娘に?

――まだ若いけど、県内を代表する老舗企業としてバトンは誰に?
 「娘1人ですからね。今のうちから“すり込んで”ます(笑)」