Let´s know 脳!/頭痛の日
片頭痛に対する理解度
ある外資系の製薬会社が昨年、片頭痛に関する職場での患者さんと周囲の認識に関するアンケート調査を実施しました。
それによれば、周囲の人の80%の人は患者さんが仕事を休むことや予定が変更になることを許容していることが分かりました。
片頭痛への理解度は以前より格段に増しているようです。

症状がない時も辛く
これまでは片頭痛が生じている時の状況が注目されてきましたが、最近の研究では、片頭痛では症状がない時も身体活動が低下していることが報告されています。
このことは頭痛の中でも片頭痛に特徴的で、その他の代表的な頭痛である緊張型頭痛などでは認められませんでした。
様々な症状が
身体活動が低下する理由としては、発作が起きるのが不安で、身体活動を抑制する習慣が身についていることが考えられます。
また発作が起きた1~2日目から発作がおさまった2日後までは倦怠感、集中力低下、頚部のこりが続くことも影響してるとみられます。
特に頭痛後の症状は、片頭痛が鎮痛剤などを内服しても頭痛が改善しないような人、頭痛の回数が多い人では強く、長く続くとされます。
上手に向き合うこと
片頭痛は症状が起きている時だけでなく、その前後にも様々な症状が起きます。痛みの回数や痛み度合いも変わりやすいので、状態に合わせて適切な予防や治療などの対策を行い、慢性化を予防することが大切です。
健やかな社会生活を送るためにも医師と患者さんが二人三脚で向き合っていきましょう。


TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤
●(さとう・あつし)2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。