女性の美と健康/ベジブロス

2018年6月22日
 使い道がないからと捨ててしまいがちな野菜の皮や芯(しん)。これらの野菜くずを煮込んで作る「ベジブロス」が健康に良いと注目されています。

栄養豊富な野菜くず

 ベジは野菜を意味するベジタブル、ブロスは出汁(だし)のこと。作り方は簡単。水1・3リットルを張った鍋に両手1杯分の野菜のくずを洗って投入し、小さじ1杯の料理酒を入れて弱火で約30分間コトコト煮込むだけ。ざるで濾(こ)せばベジタブルスープの完成です。
 これらの野菜くずは実は栄養の宝庫。野菜くずには「ファイトケミカル」という植物由来の天然の化学成分が豊富に含まれていて、摂取すれば免疫力や抗酸化力を高めてくれます。ベジブロスはファイトケミカルが凝縮したスープなのです。

女性の美と健康/ベジブロス

おいしく作るコツ

 おいしく作るコツはたくさんの野菜くずを入れること。複数の野菜の旨みが混ざり合い、味に深みが出ます。お勧めはタマネギやニンジンの皮やヘタ、ダイコンの皮、ネギの青い部分など。
 逆にベジブロスに向かない野菜としては、農薬を含んでいることが多いキャベツやハクサイ、アクが強くて苦みがあるゴーヤ、ブロッコリーなど。紫色の野菜はスープの色を悪くする難点はありますが、入れて悪いということはありません。

多方面に利用を

 何か一味足りなかったら和風だし、ローリエ、黒コショウなどを加えても良いでしょう。スープとして飲むだけでなく、ベジブロスをベースに味噌汁を作ったり、ご飯を炊いたり。いつもの料理に使う出汁や水をベジブロスに替えてみてはいかがでしょうか。

ぜひお試しを

 何やら料理のお話のようになりましたが、重ねて申し上げたいのはベジブロスは栄養満点です。夏バテしがちなこれからの季節に経口補水液としてもぜひお試しを。


女性の美と健康/ベジブロス
プロフィール

セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。