医学のうんちく/性依存症

2017年1月13日
 依存症にはアルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存症などが知られていますが、性(セックス)依存症というのもあります。

性行為を繰り返す

 性依存症は、身体的・社会的なリスクを冒してまでも性犯罪を犯す、不特定多数の相手と性行為を重ねる、過度の風俗通い、自慰・のぞき・痴漢などがやめられない――といった性的行動のコントロールがきかない状態をいいます。
 米国精神学会では「過剰セックス障害」という病名で診断基準もあります。過去6カ月以上、性的な空想や活動に大量の時間を費やし、それなしではいられない状態と定義づけています。

医学のうんちく/性依存症

原因は精神的ストレス

 性依存症の原因は精神的ストレスで、米国男性の約8%がこの病気にかかっているとされます。
 故ケネディ、クリントン両元大統領、プロゴルファーのタイガー・ウッズなどが知られています。ウッズは治療を受けましたが、皮肉なことに以前のように大会で勝てなくなりました。
 女性ではロマノフ朝ロシアに君臨したエカテリーナ2世が有名です。日本でも増加傾向にありますが、正確な数は分かっていません。

ドーパミンが放出

 性行為の最中には脳からドーパミンというホルモンが放出され、快楽、達成感、満足感を引き起こします。行為を繰り返していくと、やがてドーパミンが短時間に、連続的に、大量に放出されるようになります。
 ドーパミンによる快感や陶酔感を得るために自分の意志では止めることができない依存症に陥ってしまうのです。

普通に過ごせば大丈夫

 日常生活でも楽しいことがあるとドーパミンが放出されますが、楽しいことは自分の意思だけで招き入れることは難しく、普通の生活を送っている限り依存症にはならないでしょう。


医学のうんちく/性依存症
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次 (ささがわ・いそじ)
プロフィール
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業。95年からHawaii州立大学医学部で「雄性細胞の核移植(不妊治療)」について研究。02年に「男子外性器異常の発症における分子生物学的解析」で「とやま賞」受賞。04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。