女性の美と健康/マイコプラズマ肺炎
別名「オリンピック熱」
マイコプラズマ肺炎はマイコプラズマという菌に感染することで発症する病気で、乾いたせきと発熱が特徴です。昔は4年周期、しかも夏季オリンピックが開催される年に流行したことから「オリンピック熱」とも呼ばれていました。

今年は大流行
別名の通り、リオ五輪が開催された今年はマイコプラズマ肺炎が大流行。国立感染症研究所によれば、患者数は統計を取り始めて以来、最多を記録しているとか。
例年、秋から冬にかけてが流行する時期で、患者の約8割が14歳未満の子どもとされます。
症状と診断
症状はかぜと酷似しています。せきと発熱のほか、頭痛、咽頭痛(いんとうつう)などが現れることもあります。
診断ですが、聴診器では異常が見つからないケースが多く、胸部のレントゲン撮影ですりガラスのような陰影を確認することが必要です。
また、現在では咽頭ぬぐい液からDNAの有無を調べることで迅速(じんそく)な診断も可能になりました。
治療法は?
治療はマクロライド系の抗生物質を用いますが、最近はマクロライド系抗生物質が効かないマイコプラズマが増えているのが悩みです。
その時はニューキノロン系やテトラサイクリン系の抗生物質を投与するのですが、子どもに投与しにくい薬が多いのも事実です。
予防が1番
マイコプラズマ肺炎の予防ワクチンがあればそれに超したことはないのですが、ブタには経口ワクチンがあるものの、人間にはないのです。
ですので保温、安静、十分な睡眠、バランスのとれた食事などで未然に防ぐしかありません。


セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
●(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。