2015 お盆の基礎知識 日本の伝統行事を次の世代へ

2015年7月24日
 間もなく「お盆」がやってきます。この時期は県外で暮らす人も「ふるさとでお墓参りを」とこぞって帰省、年末年始と並んで山形が最もにぎわいをみせるのが毎年恒例の光景。そんなお盆に関するあれこれを調べてみました。
 お盆に関するあれこれ 

お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらんぼえ)」。盂蘭盆とはインド・サンスクリット語の「ウラバンナ(逆さ吊り)を音写したもので、亡くなった人は吊るされるような苦しい思いをしている、その霊を少しでも楽にしてあげようというのが本来の意味だとか。
 仏教行事として中国では6世紀ごろ、日本に伝わったのは7世紀ごろとされます。日本ではそれ以前から祖先崇拝の信仰が根強く、祖先を供養する行事と合体して現在の姿に発展していったようです。

お盆の時期はもともとは7月13日から16日までの4日間でしたが、明治になって旧暦が新暦に変わって以来、地方によって時期が異なるようになりました。
 新暦の7月15日前後は農繁期に当たるため、山形など多くのところで8月15日前後に遅らせる「月遅れ盆」が広がりましたが、東京や横浜では7月盆、沖縄では9月盆。さらに詳しく調べると、東京の一部や岐阜県中津川市では8月1日に行っているようです。

お盆の行事といえば盆踊りが一般的ですが、ところ変われば行事も様々。
 例えば8月1日を「釜蓋朔日(かまぶたついたち)」(地獄の釜の蓋が開く日)と呼んでお盆の始まりにしていたり、8月16日を「餓鬼(がき)の首」(閻魔(えんま)さまの縁日で地獄の釜の蓋が開いて餓鬼も自由になる日)として大人は仕事を休み、子どもは「地獄の釜の蓋が開くので海に入ると戻れくなる」という言い伝えから海水浴を禁じている地域もありました。

甲信越や東海地方では仏前に安倍川餅を供える習慣があるほか、長野や新潟の一部では送り火、迎え火の時に独特の歌を歌う習慣があるそうです。長崎ではお墓参りの時に花火を上げたり爆竹を鳴らして霊をとむらうのだとか。

山形をはじめ一般的なお盆の式次第はイラストの通り。要は、家族が仲良く寄り添って祖先に感謝する年に1度のイベントがお盆。家族みんなでお盆の準備と後かたづけに励めば、先祖も私たちの無事な暮らしぶりを知って喜んでくれるでしょう。

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