<荒井幸博のシネマつれづれ> 「北のカナリアたち」吉永小百合さん

2012年11月9日
涙と感動のサスペンス

 吉永小百合の主演作「北のカナリアたち」(阪本順治監督)が3日から公開されている。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 「北のカナリアたち」吉永小百合さん

教師と生徒つなぐ合唱

 川島はる(吉永)が病気療養中の夫(柴田恭兵)を伴って赴任したのは北海道最北端の離島の分校。生徒はたったの6人。年下で吃音(きつおん)の信人がいじめにあっていたが、はるは信人の歌の才能に気づく。他の生徒も歌うことが好きなことが分かり、合唱を通じて子ども達の心をひとつにしていく。子ども達の歌声は島民の心の安らぎ、希望にもなっていく。
 
絆を断ち切る事件が…

 そんなある夏の日、はるは夫の提案で生徒たちと海岸でバーベキューをするが、そこで思わぬ事故が起きてしまう。そして、そのことをきっかけにはるは島から石もて追われることになる。
 20年後、東京で働くはるのもとに信人が殺人容疑で追われているという知らせが届き、はるは6人との再会を心に決め北に向かうのだった。
 
キューポラのある街

 吉永の代表作といえば50年前の1962年に公開された「キューポラのある街」だろう。16才の吉永が演じたジュンは快活な中学3年生。高校受験を前に鋳物工場で働く父親がリストラにあい、卒業後は進学を諦め働かなければならない境遇に。それでも周囲の励ましにも支えられ、希望を胸に新たな一歩を力強く踏み出していく感動作。「北のカナリア」のはるはジュンのその後のようにも思える。

美しかった小百合さん

 先月31日、公開を前に小百合さんが阪本監督らと山形県民会館で舞台挨拶。小百合さんに芝居の喜びを教えてくれたのは小学5年生の時の担任の鶴岡市出身の奥野幸文先生だったとか。県民としては嬉しい限りのエピソード。そして小百合さんはやっぱり美しかった。


<荒井幸博のシネマつれづれ> 「北のカナリアたち」吉永小百合さん
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜8時)を担当。