《おしえて!編集長》 金高騰で買取競争

2012年9月28日
 猛暑もようやく峠を越え、涼しさも感じるようになった今日このごろですが、依然として熱いままなのが金(きん)価格。なんでもいろんな要因が絡み合って記録的な高値が続いているらしく、山形でも「金買い取ります」という看板を掲げるお店が目立ちます。私はそんなに持ってないけど、今が売り時なのかしら?

金価格が高騰しているそうですが、そもそも金の価格ってどこで誰が決めてるんですか?

 《おしえて!編集長》 金高騰で買取競争

 かつては英国が支配

 「いい質問だね。大昔のことは知らないけど、大英帝国が世界の海を支配していた時代はイギリスの財閥のロスチャイルド家が価格の決定権を握ってたんだ。ロスチャイルド社の一室にある『黄金の間』というところに貴金属商が集まり、ティーを楽しみながら値決めするという何とも優雅なやり方だったそうだ」

 決定権、米国に移行

 「だけど第2次大戦が終わってイギリスが没落し、代わってアメリカが台頭するよね。必然的にアメリカは経済に大きな影響を与える金価格の決定権をイギリスから奪いたいと考えるようになった。そこで1974年、ニューヨークの先物市場に金を上場したんだ」

先物市場って?

 《おしえて!編集長》 金高騰で買取競争

 取引を通じて決まる

 「ひと口で説明するのは難しいけど、まあ証券取引所をイメージすればいい。そこではいろんな企業や投資家が自由に取引できて、日本の商社もいればアラブの王族だっている。いろんな人が取引に参加して毎日価格が決まっていく仕組みだから、特定の誰かが決めてるってわけじゃないんだよ」
 「その取引量たるや膨大だから、密室で決めていたロスチャイルドの影響力は急速に衰えていった。最初の質問に戻れば、金の価格はニューヨークの先物市場で取引参加者が決めているということになる」
 

今の金価格っていくらぐらいなんですか?

 過去最高値圏で推移

 「海外では1トロイオンス(31グラム)当たりの価格で表示することになっていて現在は1760ドル。去年9月に記録した1923ドルの過去最高値から比べれば落ち着いてるけど、10年前だと300ドルぐらいだったからざっと6倍だ」
 「日本の価格はグラム当たりの円建てで表示されるよね。ニューヨークの価格をグラム換算して為替をかけあわせれば1グラム4400円ほどになる。こっちも過去最高値圏だ」

高騰してる理由を教えて下さい。

 プール3杯分

 「鉱山会社の採掘コストが上昇していることや、金を使った新しい金融商品の登場などいろんな要因があるけど、簡単に言えば需要の伸びに供給が追い付かないことに尽きる。有史以来、人類が地下から採掘した金の量は約15万トンでしかない。15万トンなんて落合にある総合スポーツセンターの屋外プールのたった3杯分だぜ」

 《おしえて!編集長》 金高騰で買取競争
 供給を上回る需要

 「これに対して世界中で金の需要は増えてる。特に目立つのが中国とインドで、経済成長が続いて金持ちだから投資用、宝飾用を問わず凄まじい勢いで買ってるらしい」
 「加えて金はその国の通貨の信用力が落ちると相対的に人気が上がるとされ、アメリカのドルや欧州通貨のユーロがふらふらしてるもんだから個人や中央銀行までが金を買う動きを強めているとされる」

この先どうなるんですか?

 先行き、神のみぞ知る
 
 「それが分かればあっちこっちから借金して大博打やるよ(苦笑)。価格の先行きは神のみぞ知る。世界的にインフレになって2000ドルを超えるって見る人もいるし、高値の反動が出て1000ドルを割るって見方もある」

でも買い取りのお店、多いですよね。

 金はリサイクル商品

 「金は摩耗せず、使い古しても溶かして固めれば元の輝きを取り戻すよね。さっきも言ったけど15万トンの金は世の中にあるわけだ。新しく採掘する金の量が限られている以上、世間で眠っている金を買い集めて供給の足しにしようってわけだね」

どんな人がお店に持ち込んでいるのかしら?

 多い女性の持ち込み

 「やっぱり40歳代以上の女性が多いみたいで、『デザインが気に入らなくなった』なんて理由で指輪やネックレスなんかを売りに来るみたい。おばあさんで金歯を売りに来たケースもあるらしいよ」

今は売った方がいいんですか? もう少し待った方がいいんですか?
 
 「押し買い」にご用心

 「だからさっきも言ったように神のみぞ知るだから。『これ以上は上がりそうもないな』と思えば売ればいいし、『まだ上がりそうね』と思えば待てばいいし」
 「ただここ2~3年は突然自宅にやってきて、強引に金を買い取っていく『押し買い』という悪徳商法もあるみたいだから注意してほしいね」