<荒井幸博のシネマつれづれ> ヘルプ~心がつなぐストーリー~

2012年4月13日
米南部の黒人差別描く

 人種差別が歴然と残る1960年代前半のアメリカ南部、ミシシッピ州ジャクソンが舞台。

舞台は米南部

 大学を卒業して郷里に戻った白人女性のスキーターの夢は作家になること。地元の新聞社で家事に関する小さなコラムを任されるが、家事の知識がないため友人宅の黒人メイドのエイビリーンに教えを受ける。
 取材を続けるうち黒人メイドたちが置かれている劣悪な境遇に驚愕(きょうがく)するスキーター。白人は家事や子育ては低賃金、長時間労働を強いて黒人メイドに任せっきりで、自分たちは遊興や慈善活動に明け暮れる。「病気が移る」と同じトイレすら使わせない。

<荒井幸博のシネマつれづれ> ヘルプ~心がつなぐストーリー~

本の出版を契機に…。

 スキーターは黒人メイドたちの窮状(きゅうじょう)を訴えようと本の出版を思い立つ。だが、時あたかもキング牧師の指導による黒人解放運動が活発化する反面、白人至上主義団体「KKK」による黒人虐殺事件も起きていた。
 仕事どころか生命の危険すらある南部で取材に応じてくれるメイドは皆無。エイビーンと友人のミニーだけは協力してくれるが、それだけでは出版は到底無理。だが、ある事件を契機に事態は急変、そしてスキーター自らの家の問題も――。
 
「ヘルプ」の意味は?

 「ヘルプ」とはアメリカ南部で白人家庭に通う黒人メイドのことだが、「助けて!」という彼女たちの心の叫びだったのではないか。
 大きく丸い目がクリクリ動くルイアーム・ストロング似のオクタヴィア・スペンサーがミニーを演じ、昨年のアカデミー助演女優賞に輝いたことを付記しておく。
 
ミニーの料理に生唾

 ミニーは町1番の料理上手。彼女が作る南部名物のフライドチキンは生唾(なまつば)もの。ただ極悪ヒリーに振るまうチョコレートパイだけは御免こうむりたい。


<荒井幸博のシネマつれづれ> ヘルプ~心がつなぐストーリー~
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマ・パーソナリティーとして数多くの地元メディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。