ホームスイートホーム 株式会社 羽柴(東根市)

2006年11月24日
注文木造住宅で頭角
ホームスイートホーム 株式会社 羽柴(東根市)

 注文木造住宅「ホームスイートホーム」を展開する羽柴が積極的な宣伝活動によって営業基盤の構築を進めている。「家はまだ建てるな!」の逆説的なコピーを目にした読者も多いだろう。

創業は昭和20年

 羽柴の創業は戦後間もない1945年(昭和20年)で、会社組織になったのが62年。もともとは鉄骨工事などを手がけていたが、公共工事の削減や景気回復の遅れによる建設需要の落ち込みなどを背景に注文木造住宅の分野に進出した。
 このリストラクチャリング(事業の再構築)を推進したのが、創業者の長男で2001年に社長に就任した羽柴慎一氏。羽柴社長は「既存事業の落ち込みをカバーする狙いだけではなく、消費者に喜んでもらえる住宅事業にロマンを感じた」とリストラに着手したきっかけを話す。

「ローコスト住研」に加盟

 住宅分野への進出にあたっては住宅価格のコストダウンを掲げる全国組織の「ローコスト住宅研究会」に加盟、徹底的にノウハウを蓄積したという。
 そのノウハウの一端をのぞいてみると、材料はメーカーと価格交渉して直接仕入れる。下請け業者もローコスト要求に応えられる業者を厳選する。経費のかかるモデルルームや支店はあえて構えず、各地で開催する構造見学会や完成見学会などを通じて受注につなげていくスタイルだ。
 見学会ではローコスト住宅研究会を主宰する平秀信氏の本やCDをプレゼント、同社のコンセプトを理解してもらうツールに使っている。
 ターゲットにしているのは20歳代後半から40歳代までの層で、配偶者と子供2人を持つ4人家族に絞り込んでいる。

ホームスイートホーム 株式会社 羽柴(東根市)

価格明確化うたう

 肝心の価格は4LDK・40坪当たり1481万円をうたっている。1坪当たりの単価は37万円で、「坪単価30万円以下」をキャッチフレーズに掲げる県内の同業他社より割高になる計算だが、羽柴社長によれば「カーテンや照明など基本的な設備はととのえてあり、本体価格だけの同業他社よりトータルでは割安になるはず」と胸を張る。
 
受注は倍々ゲーム

 この「価格の明確化」が同社の最大のセールスポイントになっているようだ。実際、積極的な宣伝活動の効果もあって初年度2棟だった建築実績は2年目に10棟、3年目に20棟、4年目に当たる今年度は40棟と倍々ゲームで伸びている。
 まだパイが小さいだけに大手の仲間入りを果たすには時間がかかるとみられるが、勢いを感じさせる企業であることは確かだ。各種の信用調査会社のデータでも「将来性」「収益性」で高い評価が得られている。

人材育成がカギ

 現在の営業エリアは東根市周辺が中心。東根市周辺は県内では珍しく人口増加が続いており、比較的競争が少ないことも同社には追い風になっているようだ。ただ一段の飛躍を目指すには大市場である山形市周辺までのエリア拡大が不可避だろう。
 同社は羽柴社長のリーダーシップで成長モデルを構築中で、新興企業にはありがちなスタイルといえるが、将来的にはトップダウン型の意思決定プロセスをどうボトムアップ型に軟着陸させていくかも課題だろう。

■株式会社 羽柴
・社長   羽柴慎一 氏
・所在地  東根市大字蟹沢2033‐12
・設立   1962年
・資本金  3000万円
・売上高  2億2300万円
・従業員  8人
・事業内容 木造注文住宅販売