《おしえて!編集長》 「生命保険」って?

というわけなんです。
「あれ、タエちゃん、彼氏いたんだっけか?」
いませんけど。
保険、高価な買い物
「……。いないのに早くもまだ見ぬダンナの死んだ後のことを考えるっていうあたりが、女の人っていうのはつくづくオソロシイというか計算高いというか(苦笑)。まあいいや、人生最大の買い物はマイホームでだけど、2番目に高い買い物は生命保険らしいし」
日本人は保険好き
「日本の家計が支払う生命保険料は平均すると年53万円。入社して定年まで払い続けたとすると総額はなんと2000万円を超える!」
「国全体で見ても日本人がかけてる生命保険の総額は約2000兆円で国内総生産(GDP)の4倍。ちなみにアメリカはGDPの2倍で、日本人は世界一保険好きの国民って言われてる」
へエー!ヘエー!

禁物「勧められるまま」
「だから、確かにしっかり勉強しておく必要はあるね。結婚とか出産とかの節目で加入する人が多いんだけど、保険会社の外務員から熱心に勧められて「何となく」入った保険がその後の家計の重しになるケースが多いっていうし」
「だいたいが生命保険って扱ってる会社も様々なら商品も多種多様。しかも複雑な商品の説明や難解な専門用語のオンパレードで、これで腰が引けちゃう人は多い」
でしょうね。
モノ選びと同じ
「だけど生命保険だって『モノ』なわけだ。モノを買う時って、自分に必要なものを考えてフトコロ具合と相談しながら買うわけだろ、それと同じなんだよ」
種類と額を決める
「だから保険選びの要諦は、まず必要な保険の種類や保険の額(保障額)を決め、その後に各社のパンフレットを取り寄せるなりネットで検索するなりして個別の商品を吟味することだね」
なるほど。
定 期 保 険
「種類は大別して3つで、基本は定期保険。期間があらかじめ決められ、その間に死亡した場合に保険金を受け取ることができる。保険期間が限られているため月々支払う料金(保険料)は割安だけど掛け捨てになる」
「保険期間が過ぎて更新する場合、最初に契約した時より年をとって死亡するリスクは高まっているわけだから、保険料は高くなる」
終 身 保 険
「次が終身保険。一生涯にわたって保障する保険で、死亡時に必ず保険金が受け取れるので保険料は高め。途中で解約する場合は払い込んだ保険料の一部が『解約返戻金』として戻ってくるケースが多い」
定期保険特約付終身保険
「以上の2つを組み合わせた定期保険特約付終身保険っていうのもある。基本の仕組みは終身保険なんだけど、特別に手厚く保障して欲しい期間は特約の定期保険になる。一般的には下の子が大学や高校を卒業するまでを期間の終了時期に設定する人が多いみたいだね」
なんとなく種類はわかりました。
「次は保障額。ここで注意したいのは間違っても『保障額=自分の命の価値』なんて思わないこと。保障額が大きいほど保険料は高くなるわけで、無理すれば自分の首を絞めることになる」
保険で不足分を補う
「そのうえで自分が死んだ後のことを具体的にイメージすること。残された家族は今の家に住み続けるのか、妻は働きに出るのか、子どもの教育費は? などなど」
「そこで必要な資金をすべて保険でまかなうわけじゃない。住宅ローンの利用者なら原則的に死んだら残りのローンは払わなくてすむ。貯金額、遺族年金、死亡退職金などをトータルで把握し、足りない分を保険で補うっていうスタイルがお勧めだね」
そのうえで各社の商品を見比べるわけですね。
自分に合った保険を
「そう。例えば30歳男性が3000万円の定期保険に入る場合、月々の保険料は安いところで2000円台、高いところは6000円台と3倍近い差があったりする」
「それに最近は商品も細かくなってて、喫煙しない人や健康な人には割安な保険料が適用されるリスク細分型保険なんてのも登場してる。いろんな商品の中から自分にあったのを選べばいい」
シンプル イズ ベスト
「あと生命保険に医療や介護なんかの特約がついたセット商品も出回ってるけど、追加的な保険料も必要になるし、条件が厳しかったりでトラブルも少なくない。なるべくシンプルなタイプがいいんじゃないかな」
必要に応じ見直しも
「それやこれやで、いったん契約した保険でも絶えず見直した方がいい。 山形の人って良く言えば律儀、悪く言えば頑固なところがあるんだけど、保険料が月1万円減れば10年で120万円の節約になるんだから。
わかりました。