<荒井幸博のシネマつれづれ> 座頭市 THE LAST
香取、市の人間味を好演
勝新太郎の代名詞ともいえる座頭市を演じるのは香取慎吾。殺陣も走りも目をつぶって演じたので勝のような美しさや格好良さには欠けるが、逆に危険と隣合わせの緊張感と迫力が溢(あふ)れる。不器用だが夫婦愛や友情を重んじる人間味ある青年「市」を見事に演じた。
豪華な共演陣
共演陣は仲代達矢、倍賞千恵子、原田芳雄、中村勘三郎、岩城滉一、反町隆史、工藤夕貴、石原さとみといった豪華メンバー。中でも天道役の仲代は黒沢明監督「用心棒」「椿三十郎」で演じた敵役を髣髴(ほうふつ)とさせる。
撮影は庄内映画村!
何より撮影所となった庄内映画村の宿場町や漁村等のオープンセットは時代劇全盛のころを思わせるもので、気分が高揚する。
言うまでもなく香取はSMAPの一員だが、藤沢周平原作「武士の一分」で主役を演じたのはSMAPの木村拓哉だったし、庄内映画村で撮影した「山桜」「スノープリンス 禁じられた恋のメロディ」ではそれぞれ少年隊の東山紀之、ジャニーズ・ジュニアの森本慎太郎が主演した。さらに庄内映画村で撮影され秋公開予定の「十三人の刺客」にはSMAPの稲垣吾郎が出ている。
過去には山形市ロケも
ちなみに香取主演で昨年3月放送のフジテレビ開局50周年記念ドラマ「黒部の太陽」では山形市の花小路と平清水でのロケも敢行された。
ジャニーズと山形は深い縁で結ばれている?

1957年、山形市生まれ。シネマ・パーソナリティーとして数多くの地元メディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。