あなたの目 健康ですか?/(177)老眼
目の調整力が低下
そもそも老眼とは、目の中でレンズの働きをする水晶体が加齢とともに硬くなり、調整力が低下して手元のピント合わせが難しくなる状態のことを指します。若い時には水晶体が厚くなったり薄くなったりして見る距離にピントを合わせることが可能ですが、老眼になると近い距離が見えにくくなります。
これまで快適に見えていた距離から離さなければならなくなった時には老眼鏡が必要になってきます。

眼精疲労にも
近視の人は眼鏡をはずした状態で焦点が手前にあるので眼鏡のかけはずしで老眼に対処できることもありますが、コンタクトを使っていると見かけの調節力が眼鏡より小さくなるので老眼の症状は早くでます。コンタクトの度を下げたり遠近のコンタクトなどで対処します。
若い人でも過矯正といって眼鏡やコンタクトの度が強すぎるものを使っていると老眼の症状が早く出たり、ひどい眼精疲労を自覚します。
注意が必要な人は
一番注意が必要な人は若い時は眼鏡なしでよく見えたという人です。隠れ遠視であることが多く、遠視の分だけ調節力を余分に使って生活しているので老眼の症状が早く出たり、眼鏡に慣れていないので眼鏡なしで過ごそうとして眼精疲労に悩まされることが多くなります。
早めに眼科医に相談を
本の文字やスマホの画面を離さないと見えなくなった場合、年齢に関係なく老眼の可能性があります。
早めに老眼鏡に慣れるためにも、心当たりのある方は眼科専門医に相談しましょう。


高橋 義徳
●(たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。