真理子先生の女性のミカタ/子宮頸がん(下)
2023年1月13日
今回は、子宮頸がん検診の結果が届いたらのお話しです。
NILMなら一安心
子宮頸がん検診は細胞を調べる検査で、結果は9種類に分かれます。
陰性を示す「NILM」なら一安心。ただ併用のハイリスクHPV(ヒトパピローマウイルス)検査で陽性なら、子宮頸がんを引き起こす原因のHPVがいるということになります。必ず1年後に検診を受けましょう。

必要なら追加検査
結果が「ASC-US」の場合は、正常ではない細胞という意味になります。この場合はハイリスクHPVの存在を確認し、結果が陰性の場合はNILMと同じ扱いになります。
陽性ならコルポスコピー検査と生検(組織診)を同時に行います。外来日帰りで。
コルポ診と組織診
コルポスコピー検査とは、コルポスコープという拡大鏡を用いて子宮の入口(頸部)を観察し、病変が強い場所を特定するものです。
そして組織診では、コルポスコピーで観察しながら所見が明らかな部分の組織を数カ所つまみとります。その組織を病理検査することで診断を確定します。
他の検査結果でも
NILM、ASC-US以外の結果だった場合も次の段階の検査としてコルポスコピー検査と組織診を行います。
いずれも早期に発見して適切に経過を観察すれば大事には至りません。
検査は都合をつけて
「精密検査が必要」となれば、万難を排して受診するようにしましょう。怖いからとか、自覚症状がないからとか理由をつけているとつい忘れて遅れがちになってしまう方も多いようです。


真理子レディースクリニック 院長
伊藤真理子
●(いとう・まりこ) 1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。
伊藤真理子
●(いとう・まりこ) 1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。