相続の基礎知識/(18)遺言書保管制度

2022年6月24日
 以前に2年前に導入された「自筆証書遺言書保管制度」についてご説明しました。今回は、同制度を利用して保管した遺言書の内容を変更したい時はどうすればいいのかについてお話しします。

制度導入は2年前から

 最初に、自筆証書遺言書保管制度についておさらいしておきましょう。
 この制度は自分で書いた遺言書を法務局が保管するもので、紛失や内容が改ざんされるといったリスクを回避できることが大きな特徴です。
 また法務局において遺言書の形式が法律上、不備がないか審査してくれるため、相続開始後の家庭裁判所による「検認」手続きが不要となることも大きなメリットです。

相続の基礎知識/(18)遺言書保管制度

内容変更は可能

 さて、本題の「内容を変更したい時」です。「公的機関である法務局で保管したからには変更はできないんじゃないの?」と考えがちですが、そもそも遺言書なるものは他の形式のものであっても後から撤回や変更することが可能です。
 つまり新たに自筆証書遺言書を作成し、再度、法務局に保管を依頼すればいいのです。

その場合の注意点

 注意点は、新旧2つの遺言書が法務局に存在してしまうと、いざ相続となった場合に混乱が予想されるため、最初の遺言書の保管の撤回を申請し、新しい遺言書の保管を改めて申請することです。
 なお遺言書の保管の申請の撤回は、あくまで法務局に遺言書を預けることをやめることであり、その遺言の効力とは関係ありません。破棄する等遺言書の内容の撤回を別途行う必要があることに注意してください。

専門家に相談を

 まだ歴史が浅い自筆証書遺言書保管制度ですが、撤回方法は民法で定められていますので、一度作成した遺言書の撤回や内容を変更したい場合は専門家に相談することをお勧めします。


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司法書士
遠藤 和法
●(えんどう・かずのり)1988年(昭和63年)天童市生まれ。2011年に司法書士資格取得。趣味はウイスキー。