あなたの目 健康ですか?/(169)近視の進行予防
2022年5月13日
新学期になり、小学校での健診で昨年より視力が下がっていたというお子さんも多いのではないでしょうか。
近視が目の病気を誘発
かつては視力が下がって近視になったと指摘されても、「眼鏡やコンタクトレンズで矯正すれば大丈夫」という受け止め方が支配的でした。
ところが最近では、近視になると様々な目の病気にかかりやすくなることが広く知られるようになりました。特に子どものうちに近視の発症や進行を予防することが大切とされています。

緑内障リスクも
目の病気と言えば、恐ろしいのは緑内障です。近視の場合、近視がない場合に比べ緑内障にかかるリスクは4倍高く、近視が強い場合にはリスクは14倍にもなります。
また近視が強い場合、網膜剥離(もうまくはくり)にかかるリスクは22倍、近視性黄斑変性にかかるリスクは41倍とされています。
発症・進行を防ぐには
このように、近視の進行を予防することは人生100年時代には大切なことです。スマホやタブレットなど近くを見る時間が増えている影響で、近視の発症も低年齢化しています。低年齢であるほど近視の進み具合も早いことをお忘れなく。
近視の発症・進行を予防する生活習慣は「なるべく外で過ごす」「近くを見る時は30センチ離れ、30分したら遠くを見る」の2つです。
特に外で過ごす近視の予防効果は年齢が低いほど効果的とされます。
眼科医に相談を
健診で視力低下が指摘されたら、最寄りの眼科を受診し必要があれば眼鏡などで適切に矯正しましょう。そのうえで近視を進行させないように眼科医のアドバイスを受けることをお勧めします。


金井たかはし眼科 院長
高橋 義徳
●(たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。
高橋 義徳
●(たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。