徹底して山形に密着したフリーペーパー

相続の基礎知識/(14)相続放棄

2022年4月22日
 相続の場面では、よく「相続放棄」という言葉を耳にすることがあります。相続放棄とはどんな場合に選択され、どんな手続きが必要なのでしょうか。

財産に負債があれば

 実際に相続が始まると、相続人は被相続人の全財産を継承できる地位に就くことになります。
 財産といえば預貯金や不動産などプラスの財産(資産)だけを連想しがちですが、借金や空き家などマイナスの財産(負債)も含まれるので注意が必要です。
 明らかに負債額が資産額を上回っていると思われる時、相続人に選択できるのが「相続放棄」という手段です。

相続の基礎知識/(14)相続放棄

「資産だけ」は×

 相続放棄はあくまで全財産が対象で、特定の財産だけを対象にすることはできません。「資産は引き継ぐけど、負債は嫌」というわけにはいかないことをお忘れなく。

単純承認とは

 相続放棄の手続きは相続開始(通常は相続人が被相続人の死を知った時)から3カ月以内に家庭裁判所に申請する必要があります。この期間を「熟慮期間」と呼び、手続きをしないまま期間を過ぎると資産と負債をすべて継承する「単純承認」とみなされます。

限定承認とは

 負債額がはっきりしない場合などに、「限定承認」という方法で相続する選択肢もあります。資産を限度として負債を支払い、余りがあれば相続するというものです。
 この手続きも熟慮期間内に済ませる必要があり、それを過ぎれば単純承認とみなされます。

専門家に相談を

 なお、熟慮期間の延長は家裁に申請すれば認められることもあります。
 相続放棄や限定承認をご希望の方は、まずは専門家に相談されることをお勧めします。


相続の基礎知識/(14)相続放棄
10/22

遠藤直樹法律事務所
弁護士 遠藤 直樹

●(えんどう・なおき)1985年(昭和60年)山形市生まれ。2014年に司法修習修了。趣味は釣り。山形県弁護士会所属。