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相続の基礎知識/(12)遺言書保管制度

2022年3月25日
 読者の皆さんは「自筆証書遺言書保管制度」をご存知ですか?

遺言には2種類

 この制度を説明する前に、まず一般に遺言と呼ばれるものには遺言者が自分で作成して手元に保管する「自筆証書遺言」と、公証人が作成して公証役場に保管する「公正証書遺言」の2つがあることをご理解ください。
 そのうちのひとつ公正証書遺言は、法律のプロである公証人が作成するため信頼性が高いとされ、原本も公証役場にて保存されますので紛失のリスクもありません。

相続の基礎知識/(12)遺言書保管制度

自筆証書遺言の欠点

 もうひとつの自筆証書遺言は、遺言者が内容や日付、署名を自筆で書き押印して作成します。手軽な半面、形式に不備があったり、紛失や改ざんの恐れもあります。
 こうしたデメリットをなくそうと、2020年7月に導入されたのが自筆証書遺言を法務局で保管する自筆証書遺言書保管制度というわけです。

法務局が保管

 同制度のメリットは紛失や改ざんの心配がないほか、遺言書の形式に不備がないかどうかを法務局が審査してくれるため、相続開始後は家庭裁判所による「検認」手続きが不要になります。
 遺言書の原本は遺言者の死後50年、電子データは150年保管されます。手数料は3900円と、最低数万円かかる公正証書遺言に比べて安価なことも魅力です。

内容までは審査せず

 注意点は、必ず遺言者本人が法務局で手続きをする必要があり、ご家族の方や弁護士が代理で行うことはできません。また法務局は遺言書の形式は審査しますが、その内容が適正かどうかまではチェックしません。
 このため遺言通りの相続が実現できないケースもあり、それを避けるためには自筆証書遺言の場合でも、作成の際は専門家にアドバイスを受けることをおすすめします。


相続の基礎知識/(12)遺言書保管制度
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司法書士
遠藤 和法
●(えんどう・かずのり)1988年(昭和63年)天童市生まれ。2011年に司法書士資格取得。趣味はウイスキー。