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<荒井幸博のシネマつれづれ>ウェディング・ハイ

2022年3月11日
随所の伏線回収が見事

 結婚式のプランニングから新郎・新婦のアドバイザー的役割も担うウェディングプランナーが主人公の群像劇。ユーモアセンスと構成力に定評があるバカリズムがオリジナル脚本を手掛け、「勝手にふるえてろ」などの大九明子監督がメガホンを取った。

<荒井幸博のシネマつれづれ>ウェディング・ハイ

 1年の交際を経て結婚式を挙げることになった石川彰人(中村倫也)と新田遥(関水渚)のカップル。敏腕ウェディングプランナーの中越真帆(篠原涼子)に支えられ準備万端で式当日を迎える。ところが、満を持して結婚式に臨むのは2人だけではなかった!?
 新郎新婦の紹介VTR制作や主賓挨拶、乾杯の発声、結婚式定番の余興に並々ならぬ情熱を持って臨む上司、恩師、友人たち。その熱さが仇となり、後続の式が控えているため絶対に遅れてはならない披露宴が1時間も押してしまう。
 さらには不朽の名作「卒業」のダスティン・ホフマンよろしく決起した遥の元カレや、招かれざる客も現れる始末。
 果たして真帆はこの苦難を乗り越え、披露宴を感動の大団円に持っていけるのか――。

 筆者は500組以上の結婚式の披露宴で司会役を務めていることもあり、“結婚式あるある”が随所に盛り込まれている点が興味津々で、何度も深く頷き、笑い、そして大いに楽しめた。
 時間短縮のための様々な努力と工夫、特に新郎友人の太鼓、新婦友人のダンス、新郎父のマジック、新婦父のマグロ解体ショーの処理が素晴らしく思わず拍手。新婦恩師のスピーチも秀逸。
 共演者も豪華。高橋克実、尾美としのり、六角精児、中尾明慶、皆川猿時、片桐はいり、前野朋哉、浅利陽介、泉澤祐希、空気階段、ヒコロヒーなどの個性派に加え、LDHのプリンス岩田剛典や向井理、プリンシパル宮尾俊太郎など主役級のイケメン俳優たちが意外な役どころで楽しませてくれる。

 バカリズムの脚本が素晴らしい。随所に散りばめられた伏線回収の見事さに拍手を送りたい。


<荒井幸博のシネマつれづれ>ウェディング・ハイ
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜19時)を担当。