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医学のうんちく/L-アルギニン

2022年3月11日
 勃起不全(ED)の治療薬としてはバイアグラ、レビトラ、シアリスの「PDE5阻害薬」が知られていますが、それ以外にもEDの改善が期待できるサプリメントがあります。

男性不妊症の治療薬

 それがたんぱく質を構成するアミノ酸の一種「L-アルギニン」で、疲労回復や血管拡張、血流改善に効果が認められています。
 精子の成熟に必要な成長ホルモンの分泌を促進するほか、精子数の増加や精子の運動性を高める効果も知られており、男性不妊症の治療にも用いられています。

医学のうんちく/L-アルギニン

EDの改善にも

 勃起は一酸化窒素(NO)が生成され、血管が拡張して陰茎海綿体に入る血液量が増加することで生じます。EDは勃起を調整する神経系などの異常からNO生成量が減少し、血管が拡張しにくくなることで発症すると考えられています。
 L-アルギニンは摂取後に体内でNOに変換され、血管拡張、血流改善をもたらすため、EDの改善に有用とされます。

軽症~中等症患者に

 イタリア・ナポリ大の研究チームが今年、ED患者にL‐アルギニンを投与したところ、勃起機能評価の問診や陰茎血流量は有意に改善していました。ただ軽症~中等症EDの割合が減少し、非EDの割合が増加したものの、重症EDの割合は変わりませんでした。
 このことから、L-アルギニンは軽症~中等症のED患者や、PDE5阻害薬による副作用を経験したED患者、狭心症などの既往でPDE5阻害薬の投与が禁忌の患者に対する代替薬として注目されています。

併用で効果倍増?

 最後に、イタリアのマッジョーレ病院の研究チームがED患者にバイアグラとL‐アルギニンを投与したところ、バイアグラ単独よりも勃起効果が高かったことを付記しておきます。


医学のうんちく/L-アルギニン
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院院長
笹川 五十次
(ささがわ・いそじ)1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。