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医学のうんちく/コロナ後遺症と性機能障害

2022年2月11日
 英ロンドン大学の研究チームは昨年、新型コロナに感染した場合の後遺症として、生殖器および性機能に関わる症状は20あり、約45%に認められたと報告しました。

勃起不全が20%も!

 調査はコロナ感染の症状が28日以上継続している56カ国・3762人を対象に実施しています。その結果、体の様々な部位で後遺症と思われる症状は203認められ、7カ月以上継続する症状は66ありました。
 生殖器および性機能に関わる症状では勃起不全(ED)が約20%、精巣痛が約10%、精子減少が約5%、精巣および陰茎の萎縮が約5%に認められました。

医学のうんちく/コロナ後遺症と性機能障害

血流障害が影響か

 EDは非感染者と比べ20%多く、コロナで生じた血栓が陰茎への血流障害を招くことや、感染時の発熱による男性ホルモン分泌抑制などが原因と考えられています。
 また感染後7カ月でも陰茎内にコロナウイルスが存在することがあり、陰茎海綿体の内皮細胞に直接障害を与えている可能性を示唆しています。

精巣炎や精子減少も

 精巣炎は感染初期に10~22%発症し、中等症~重症の患者に多く認められます。また感染回復から約30日後の精液検査で約25%に精子減少が認められ、無精子症が重症患者に高い確率で認められました。
 精巣にはコロナ感染に必要な2つの受容体が共存せず、細胞の種類により1つずつ存在するため、受容体を介さない炎症が考えられます。

回復困難な陰茎委縮

 陰茎萎縮は、コロナ感染による血管内皮細胞の損傷が発症に関与しているのではないかと考えられますが、EDそのものが陰茎萎縮に関連するとも考えられます。いわゆる「廃用萎縮」です。調査の中で陰茎が3.8センチも萎縮した男性もいました。残念ながら、自然な回復は極めて困難とみられます。


医学のうんちく/コロナ後遺症と性機能障害
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山形徳洲会病院院長
笹川 五十次
(ささがわ・いそじ)1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。