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金型製造のIBUKI(河北町)しげる工業(群馬県太田市)の子会社に/M&A O2(東京都)傘下離れる

2022年1月28日
 金型メーカーのIBUKI(河北町、中東秀喜社長)が昨年末、製造業向けコンサルティング会社のO2(東京都)の傘下を離れ、自動車部品メーカーのしげる工業(群馬県太田市、正田敦郎社長)の完全子会社になったことが分かった。O2、しげる工業ではともに「IBUKIが更なる成長を目指すためのM&A(合併・買収)」と説明している。
金型製造のIBUKI(河北町)しげる工業(群馬県太田市)の子会社に/M&A O2(東京都)傘下離れる

 IBUKIは1933年に東京都品川区で創業した安田製作所が前身。ソニー向けの金型製造などでピーク時には売上高40億円、従業員300人を誇ったが、取引先の海外移転などで2008年からは慢性的な赤字体質に陥った経緯がある。
 息を吹き返したのはO2が再建に乗り出した14年以降。O2主導の大胆な経営刷新が奏功し、IBUKIは1年足らずで黒字転換、18年には「第7回ものづくり日本大賞」で経済産業大臣賞も受賞している。
 この間、IBUKI復活劇はマスコミなどでしばしば取り上げられ、O2とIBUKIの社長を兼務していた松本普一氏は〝金型業界の風雲児〟として全国から脚光を浴びていた。

山形AI部の行方は?

 IBUKIはコロナ禍の中でも直近2年は黒字を確保しており、O2からしげる工業への経営移管は業界では「前向きのM&A」と受けとめられているが、県内で懸念されているのは松本氏が主導し、山形を人工知能(AI)の先進地にしようという「山形AI部」の行方だ。
 山形AI部は20年から本格始動。松本氏が運営コンソーシアムの会長を務め、約50の県内企業や自治体、教育機関が会員になっているが、「事実上、松本氏やO2におんぶにだっこ状態」(会員企業)との指摘もある。
 こうした声に対し、コンソーシアム副会長の武田良和ジョイン社長は「草創期はともかく、今は組織としての活動を展開しているので先行きに不安はない」と強調している。