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<Myサークル>キラキラ会 山形ヴィヴァルディ合奏団

2008年9月26日
 毎週金曜日、山形市の蔵王半郷にあるロッジ風の民家から美しいヴァイオリンの合奏が響きわたる。弾き手は「山形ヴィヴァルディ合奏団」のメンバーだ。
<Myサークル>キラキラ会 山形ヴィヴァルディ合奏団

 構成しているのはヴァイオリン教室「キラキラ会」の上級者で中学生と高校生が中心。まだ幼さものぞかせるが、全員から凛(りん)としたオーラが漂う。それもそのはず、主宰しているのは山形交響楽団の創立名誉指揮者の村川千秋さんで、蔵王半郷の自宅を開放して指導にあたっている。
 村川さんが1973年に立ち上げた同会の理念は、一人ひとりが自分の役回りを考える「音楽家」を育てること。指揮者はおかず、中高生自身が考えて合奏のハーモニーを紡いでいく。

 この日の練習曲の一つはヴィヴァルディ「四季」の「秋」。出だしから村川さんの思いが結実したかのような見事な統一感。曲が進むにつれ、練習を始めて日が浅いという生徒もいてハーモニーに乱れが生じるが、そんな時も「自分でつかんだ感覚を思い出して弾いてごらん」と優しく背中を押してあげる村川さん。長女でヴァイオリニストの千尋さんも頼もしい先生だ。

*▲村川千秋さん
▲村川千秋さん

 75歳になってもなお精力的な村川さんは「私の培ってきた音楽を少しでも子ども達に分けることができれば」と目を細めている。