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医学のうんちく/性機能障害治療の進化

2021年12月10日
 昨今はスマートフォンやタブレットなど情報端末を活用した医療が普及し始めています。様々な医療系アプリが開発され、性機能障害(ED)の治療でもその有用性が認められつつあります。

イタリアからの報告

 イタリアの研究チームが2020年、心因性早漏患者35人を対象に、通常法とアプリ法の2群に分けて治療を施しました。治療の内容は早漏改善のためのホームワークで、その内容は骨盤底筋の強化を目的としたエクササイズと、負の感情から解放されるためのメンタルトレーニングです。
 通常療法群は口頭と書面による指示、アプリ群は情報端末にインストールしたアプリを起動し、ナレーションとともにアバターがエクササイズの手本を提示するというものです。

アプリの有用性が!

 この治療を1日3回、3カ月間継続して実施したところ、アプリ群は通常療法群と比べ、早漏診断ツール、早漏プロフィールのいずれのスコアでも有意に改善されていました。
 プログラム最終回時に早漏と診断されなかった患者の割合は、通常療法群33.3%に対してアプリ群94.1%と有意な改善を示しました。

医学のうんちく/性機能障害治療の進化

EUなどでも証明

 また欧州連合(EU)と英国の国民健康サービスが一部出資したED治療アプリは、勃起機能をサポートするエクササイズ、健康と食事に関する情報、瞑想などのマインドフルネストレーニングなどが含まれていて、最初の3カ月の使用で国際勃起機能スコアは12.0から17.1に改善しています。

新たな治療法に?

 治療はカウンセリングや生活習慣の見直しなど時間と回数を要します。患者さんの心理的な負担もあります。
 アプリによる治療は患者さんの不安に寄り添う新たな治療法として期待できます。


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山形徳洲会病院院長
笹川 五十次
(ささがわ・いそじ)1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。