徹底して山形に密着したフリーペーパー

炭火焼き牛タン 音炭(山形市)代表 伊藤 徹さん

2021年10月8日
伊藤 徹(いとう・とおる) 1961年(昭和36年)山形市生まれ。市立二小→同三中→上山農業高(現在の上山明新館高)→福井工業大工学部と進み、同大卒業後、仙台市の住宅メーカーや電子機器販売会社に勤務後、2002年に山形市飯沢で牛タン専門店「音炭(おんたん)」を開業。60歳。
炭火焼き牛タン 音炭(山形市)代表 伊藤 徹さん

コロナ禍のなか仕入れ値上昇
  牛タン屋は悲鳴をあげてます

――牛タンといえばイメージ的には仙台市…。
 「山形市内にも専門店が5~6件ありますね」

大変なことに

――牛タンが今、大変なことになってるとか。
 「大変なことになってます。仙台にしろ山形ほか全国の専門店にしろ、使っている牛タンはほぼ全量が輸入品ですが」
 「その輸入牛タンが春先から値上がりの一途で、夏場にはざっと2倍に。しかも年末に向けてさらに値上がりしていくという情勢らしく…」
 「ただでさえコロナで客足が遠のいているのに、仕入れ値が上がったからといって簡単に定食の値段は上げられない」
 「何より大変なのは品薄状態がハンパなくて、仕入れ値うんぬんより必要量の確保が難しくなってます。20年近くこの商売をやっていて、こんなことは初めて」
――どうしてこんなことに?

国産を使うのは無理

 「うちらは詳しいことは分からないけど、聞いてみると、コロナワクチンの接種が進んで米国や中国で需要が回復していることが原因らしく、牛タン以外にも輸入牛肉は全般に高騰してるとか」
――国産を使えば?
 「無理、無理。だって圧倒的に量が少なくて高いもの。輸入牛タンを使ってる現在の2000円前後の定食が、国産を使えば5000円ぐらいになっちゃう(苦笑)」
 「国産牛にこだわっているという焼き肉店も牛タンだけは輸入品というところが多いんですよ」
――対策としては?

思い切って値上げ

 「同業他社の動きを見てると、値段を据え置いて枚数を減らしたり、薄くスライスすることで使う量を減らしたり。あと、豚や鳥のメニューに誘導していこうという動きもありますね」
 「さんざん迷った挙句、うちは思い切って値上げに踏み切りました。値上げ幅は約20%で、1630円だった定食を1980円に。当然、客足はダウン。『あのお客さん、来なくなったなあ』ということも」
 「それよりツラいのは品薄で営業できなくなること。実際うちも7~8月は店を閉めてました」
――あの時、閉店したのかと心配しました。
 「お客さんに予告もなくああいうことはしたくないんですけどね」

脱サラでこの道に

――どうしてこの道に?
 「40代半ばで脱サラして一旗上げようと。社会人になって初めて食べた仙台の牛タンの味が忘れられなくて、仙台の専門店で修業して」
 「カミさんはイタメシ屋とかカフェがいいとか言ってましたけど(苦笑)」
――タイプ的にはやっぱ牛タンでしょ(苦笑)。