女性の美と健康/慢性疲労症候群
日常生活にも支障が
われわれが日常で感じる疲労と明らかに違うのは、疲労感が6カ月以上続き、休養や睡眠をとっても回復しない点です。
具体的な症状は集中力の低下、不眠、咽頭部不快感、頭痛、腹痛などで、時に抑うつが見られることもあります。
20~50歳の人がかかりやすいとされますが、子どもでも発症します。男性より女性が多いのも特徴で、本人の意思とは裏腹に簡単な作業さえできなくなるという厄介な病気です。

ウイルスで増える?
原因は不明です。ただこの病気がにわかに注目されているのは、新型コロナウイルス感染症が出現して以来、明らかに患者数が増加しているからです。
慢性疲労症候群とコロナとの科学的な因果関係は明らかになっていませんが、この病気がウイルス性感染症の流行とともに患者が増えることは知られており、重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した2003年にも増えたことが報告されています。
コロナ由来説も
実際、アメリカでコロナ対策に携わる国立アレルギー感染症研究所のファンケル所長は「コロナ後遺症に悩む人の症状は慢性疲労症候群の患者の症状に似ている」と話しています。
最近では、コロナへの感染で免疫機能が過剰に反応し、脳に炎症が起きることで様々な症状が引き起こされているのではないか、という見方も出ています。
症状に心当たりがある方は、最寄りの医療機関に相談されることをお勧めします。


セントラルクリニック院長
村山 一彦
●(むらやま・かずひこ)山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大病院、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。