徹底して山形に密着したフリーペーパー

あなたの目 健康ですか?/(158)眼外傷

2021年6月11日
 サクランボは今がまさに収穫期。またコロナ禍でガーデニングや家庭菜園なども人気とか。ただ、こうした屋外での作業が増えてくると「眼外傷」も増えてきます。

恐ろしい角膜潰瘍

 農作業やガーデニングなどの際に異物が目に入ってしまうことがあります。普通、涙で異物は自然に目から排除されるものですが、希に上眼瞼の後ろに入り込んでしまうケースがあります。
 これを放置しておくと「角膜潰瘍」に至ることがあります。角膜潰瘍は角膜、いわゆる黒目に細菌やカビが付着して起こります。痛みを伴った充血があり、最悪の場合は視力を失うこともある病気です。

あなたの目 健康ですか?/(158)眼外傷

保護用のゴーグルの着用を

 特に植物で目をこすった場合には注意が必要です。こっすったために傷ついた目の表面から細菌やカビが侵入してきます。
 サクランボのシーズンですが、果樹の剪定のように見上げる作業の場合は保護用ゴーグルの着用などを心がけましょう。

眼内異物にも要注意

 草刈りも注意が必要な作業です。草刈り機の刃が石など硬いものに当たり、刃の破片や砕石などが目に刺さってしまうことがあります。これは「眼内異物」と呼ばれ、やはり放置しておけば失明につながりかねません。こちらも予防のためには保護用ゴーグルの着用をお勧めします。
 最近では2人で作業して周囲に異物が飛ばないように注意している姿をよく見るようになりました。

眼科医に相談を

 保護用ゴーグルは重宝したいものですが、それでも目に何か触れた、異物が入ってしまったという時は、放置したり我慢したりせず、最寄りの眼科医に相談するようにしましょう。


あなたの目 健康ですか?/(158)眼外傷
7/12
金井たかはし眼科 院長
高橋 義徳
たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。