徹底して山形に密着したフリーペーパー

《セピア色の風景帖》第152回 龍王橋(上山市)

2021年5月28日
 国道13号上山バイパスがリナワールド前で分岐すると、旧道は須川を越え上山市街へと向かう。その須川に架かっているのが龍王橋である。
《セピア色の風景帖》第152回 龍王橋(上山市)

 現在、道路上から見る龍王橋はほとんど存在感がなく、通行人は橋を越えている意識もないまま通り過ぎていく。親柱も全く地味で味気のないコンクリート製の慎ましいものであるが、橋を下から見るとその印象は一変する。その全容を見れば、現在の味気ない親柱や高欄は完全に後補のものであることがわかる。

 上山―山形間の産業道路の整備に伴い昭和10年に架けられた橋で、当時としては壮大なスケールだったため、絵葉書や記録写真に多く使われた。橋本体は今と変わらないが、竣工時の画像には人の背を越えるほどの立派な親柱が写っており、銘標もかなりの大きさだったことがうかがえる。

《セピア色の風景帖》第152回 龍王橋(上山市)

 龍王橋の偉容を見るためには川縁まで降りていく必要があるが、現在その道は土砂捨て場になってしまい、通行が困難になった。
 北側の側道から遠巻きに観察することは出来るが、直下から見上げた場合の迫力にはとうてい及ばないだろう。(F)