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医学のうんちく/無自覚ED

2021年5月28日
 男性なら誰しも密かに恐れる勃起不全(ED)ですが、EDの症状が現れているにもかかわらず、自分がEDだと認識していない男性が少なからず存在するようです。

ED症状がありながら

 札幌市の手稲家庭医療クリニックは、生活習慣病の相談で同クリニックを受診した40~69歳の男性にEDの問診を実施し、そこでの回答を米ミシガン大に分析してもらいました。
 その結果、回答が得られた66人のうち61人(92.4%)に国際勃起機能スコアによるEDが認められましたが、26人(39.3%)しか自覚していませんでした。そのうち12人は治療を希望していましたが、羞恥心や治療してもEDは治らないと考え、放置していました。

医学のうんちく/無自覚ED

諦めて放置する人も

 同クリニックと同大ではEDにもかかわらず治療を受けない男性の特徴として、①EDは老化現象で仕方がないと考えている②性行為は重要ではないと考えている③かかりつけ医との十分な信頼関係の欠如④EDは治療できないと考えている⑤性欲低下のための治療の必要性を感じていない⑥性的パートナーとの親密な関係の欠如――などを挙げています。

欧米では離婚原因に

 欧米では1カ月以上配偶者と性交渉がないと別居や離婚の正当な理由になり、性交渉の回数が少ないと慰謝料を請求されることがあります。
 そのためEDは深刻な疾患と考えられ、積極的に治療を受けるようですが、日本や東アジア諸国ではEDに対する羞恥心が先立ち治療を躊躇することが多いようです。

早期治療が重要

 日本では40~69歳の男性の約1900万人がEDとされ、そのうち約1100万人が無自覚と推定されています。
 EDは心筋梗塞や脳梗塞など重大な疾患を合併することも報告されており、早期発見と早期治療が極めて重要です。


医学のうんちく/無自覚ED
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山形徳洲会病院院長
笹川 五十次
(ささがわ・いそじ)1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。