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《おしえて!編集長》変わるドラッグストア

2021年5月14日
 ドラッグストアというと、皆さんはどんなイメージをお持ちですか?「規模の大きい薬局でしょ?」「日用雑貨品から、飲料や食品を売ってるところもあるわよね」といったところでしょうか。でもそんなドラッグストアに、ここにきてある変化が出てきているんですって。
《おしえて!編集長》変わるドラッグストア

どんな変化が出てきてるんですか?

 日配品で集客 

 「飲料や、乳製品に豆腐や納豆、練り製品、冷凍食品――これらを業界用語で『日配品』っていうんだけど、日配品に力を入れてるドラッグってあるよね。県内だとカワチ薬品(栃木県小山市)の店舗を見れば分かりやすいかな」
 「全国的には、それをハンパない形でやって急成長しているのが九州を地盤とするコスモス薬品(福岡市)で、売り場の約半分が日配品なんだって。店舗網は関西や北陸、北関東まで広がっていて、東北進出も視野に入っているらしい」

ふ~ん。

 「ドラッグの主力の医薬品や化粧品って利益率が高いんだよ。だから日配品を安売りしてそこでは利益が出なくても、集客力を高めて医薬品や化粧品を買ってもらえればペイするって考え方なんだろうな」

なるほど。

《おしえて!編集長》変わるドラッグストア

 アオキは生鮮食品も 

 「集客力なら日配品より肉、魚、野菜の生鮮3品だ。生鮮3品は扱わないというドラッグの常識を覆す戦略を展開して全国を席巻しているのが北陸が地盤のクスリのアオキ(石川県白山市)。そのアオキが昨年11月に天童市に県内初進出したのは知ってるよね」
 「中に入ると、松田優作みたく『何じゃこりゃ』(苦笑)。だって売り場の半分以上が生鮮3品を含む食品で、焼きたてパンのコーナーも。ほとんど食品スーパーと変わらず、あれじゃあヤマザワやヨークベニマル、おーばんなんかと完全に競合しちゃうぜ」
 「アオキは県内での出店ペースも凄まじく、今年3月には米沢市、4月には山形市江俣に出店、7月には寒河江市でもオープンする予定。高畠町、山形市南原町でも出店計画を進めている」

すごいですね。

 ツルハも追随 

 「アオキに驚いていたら、ツルハ(札幌市)がやまコミ近くの瀬波で4月上旬に開業した店舗をのぞいてまたビックリ。アオキほどじゃないけど、肉と野菜の売り場があるんだよ。ツルハの店舗は県内に90店近くあるけど、あんなツルハ、初めて見た」
 「ツルハ本社に聞いたところ、確かに生鮮品を扱う山形県内の店舗は山形瀬波店が初めてで、今後は徐々に広げていく計画なんだって。ツルハは全国に約1300店あって、そのうち700店で生鮮品を扱うようになってるらしい」
 「瀬波に続いて4月下旬にオープンした山辺東店では野菜はなかったけど、肉は売ってた。6月にオープンする寒河江市の新店でも生鮮を扱う予定だそうだ」

他のドラッグストアにも広がっていきそうですね。