ホリエ(飯豊町)社長 堀江 龍弘さん

ローコスト住宅は追求しない
大手に互したリゾート空間を
――驚きの入社式で。
「これまでは普通に食事会でしたが、今年はコロナ禍ということもあり、上昇気流に乗っていいスタートを切ってもらいたいと企画しました。新入社員からも『この地に自分たちの家を建てることに意欲が湧いた』と好評でした(笑)」
創業90周年
――御社の沿革を。
「1931年に曽祖父が鍛冶屋として創業しました。2代目の祖父が74年に鉄骨事業を始めて社名を『堀江鉄工所』に。3代目の父が88年に『ホリエ』に社名変更し、木造住宅建築に乗り出したのが起点です」
「ただ品質が評価されて地元ではそれなりの評価を頂いていましたが、しょせんは飯豊町の工務店の域から出られない。殻を脱しようと父がハウスメーカーに勤めていたボクを呼び戻したと」
――なるほど。
「でも入社して驚いたのは自社のホームページはもちろん、カタログすらない(苦笑)。『これじゃ勝負できないでしょ』ってことで、現代的な会社として体裁を整えることから始めて。何より付加価値を高めることが地方工務店の生命線になると考え、自社ブランド『シエルホームデザイン』を創設しました」
シエルホームで急成長
「コンセプトは〝リゾートに住まう〟。洗練されたモダンなデザインを前面に出しながら、優れた住宅性能を備えているのが特徴で、県外大手ハウスメーカーの仕様を地域の工務店が割安価格で実現するイメージです」
「その後に立ち上げたデザイナーズ家具のセレクトショップ『Gino』と組み合わせ、若い世代が理想とする住まい空間を提供しています。販路は置賜から村山へと広がり、ボクが戻ってきた時は6棟だった着工戸数は昨年は39棟に」
――凄いなあ。
「3億円だった売上高は13億円です」
ユニークな取り組みも
――入社式をはじめユニークな試みも次々と。
「17年に飯豊町にブティックホテルと、南陽市赤湯にレストランを併設したショールームを同時オープンしました。商売につなげたいのはもちろんですが、地域にも貢献したいと」
――若いのにねえ。
プロ集団をめざす
「全然エリートじゃないですよ。E判定で滑り込んだ新潟大では授業についていけず、会社に入っても営業成績はいつもビリで、しょっちゅう立たされて(苦笑)。だから出来ない営業マンの気持ちは痛いほど分かる」
「でも才能がなくても努力してプロになって欲しい。そんな社員の力を結集して地域最強の工務店を目指したいですね」