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医学のうんちく/持続性性喚起症候群

2021年4月9日
 持続性性喚起症候群(PGAD)は、性行為を望まないにもかかわらず自発的な性的興奮が引き起こされる病気で、北米では、成人男女の1~4%に認められていることが報告されています。
 55~67%という高い確率で骨盤内うっ滞症候群に伴う骨盤静脈瘤、過活動膀胱、下肢静止不能症候群(むずむず脚症候群)を合併します。
医学のうんちく/持続性性喚起症候群

様々な危険因子

 危険因子として、仙骨神経根嚢胞、脊髄神経障害、精神疾患(不安神経症、パニック障害など)、抗うつ薬の内服、神経疾患(パーキンソン病、てんかんなど)、性的虐待、閉経開始時、大豆食品の過剰摂取などのほか、前述した過活動膀胱、下肢静止不能症候群も考えられます。
 検査は、腰椎や仙骨神経障害と一致する症状がしばしば認められるため、同部位のMRI検査を選択します。ホルモンバランスの変化が関与している可能性もあり、ホルモン検査を行うことも。最も重要なことは、患者さんの既往歴を注意深く聴取することです。

有効な薬物療法は?

 原因疾患が明らかであれば、それに対する治療が効果的です。自己刺激でオルガスムに達することで初めは症状が緩和することもありますが、時間の経過に伴い効果的でなくなり、むしろ苦痛を感じるようになります。
 薬物療法は確立されていませんが、強迫性障害の治療に使う抗うつ薬、神経障害性疼痛緩和薬や抗てんかん薬の有効性が報告されています。また抗男性ホルモン薬、パーキンソン病の治療薬や末梢性筋弛緩薬の効果も報告されています。

認知行動療法も

 身体の生理反応を可視化した情報として把握し、自己調整するバイオフィードバックを用いた理学療法や、認知のあり方を修正し問題に対処することで気分の状態を改善する認知行動療法も役に立つことがあります。


医学のうんちく/持続性性喚起症候群
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院院長
笹川 五十次
(ささがわ・いそじ)1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。