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内科あれこれ/胃がんの話

2021年2月26日
 今回は胃がんの話におつき合いください。

ピロリ菌感染が原因

 まず、日本人の胃がんの大半はピロリ菌の感染によって生じることが分かっています。ピロリ菌は胃の粘膜の中に棲みつき、胃酸から身を守るため周りにアンモニアを作り出します。これらが原因となって慢性胃炎が起こり、さらに胃がんが発生するとされます。
 胃がんの予防のためにはピロリ菌の除菌が有効で、慢性胃炎の患者さんの場合、抗生剤を使用した除菌は保険適用になっています。ですので、胃がん検診で慢性胃炎がある患者さんのほか、「胃がんリスク層別化検診」でピロリ菌に感染している患者さんには除菌をお勧めしています。

内科あれこれ/胃がんの話

除菌は普及したものの

 そもそもピロリ菌は汚染された水などから感染します。除菌が普及したことに加え、上下水道の整備により40~50歳代以下のピロリ菌感染率や胃がん発見率は全国的に低下傾向にあります。
 ただ、県内では一概にそうとも言えず、胃がん死亡者数はあまり減っていないのが実情です。亡くなられる方の多くは80歳代。考えられることは、70歳代での検診が少なくなっていることに原因があるとみられます。

検診から遠ざかると

 60歳代の方が「退職後は定期検診を受けていない」「バリウムの検査が億劫になってきた」などとおっしゃる話はよく耳にします。
 そんな方々が70歳代で胃がんを発症し、80歳代で自覚症状が現れて検査したところ、進行性の胃がんだったというケースが想像されます。

かかりつけ医に相談を

 現在70~80歳代で検診から遠ざかり、ピロリ菌検査も受けたことがないという方は、一度かかりつけ医に相談なさることをお勧めします。


内科あれこれ/胃がんの話
きくち
きくち内科医院 院長
菊地 義文
(きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。