あなたの目 健康ですか?/(153)大人の仮性近視
2021年1月8日
明けましておめでとうございます。
思い起こせば、ちょうど1年前の本稿では東京2020オリンピック・パラリンピックを前に「視覚障がい者スポーツ」についてお伝えしましたが、コロナ禍で五輪そのものが延期に。挙句に私たちの生活も大きく変化し、テレワークやオンライン授業など、目の負担が大きくなった1年でした。
思い起こせば、ちょうど1年前の本稿では東京2020オリンピック・パラリンピックを前に「視覚障がい者スポーツ」についてお伝えしましたが、コロナ禍で五輪そのものが延期に。挙句に私たちの生活も大きく変化し、テレワークやオンライン授業など、目の負担が大きくなった1年でした。
テレワークが負担に
そのせいか、昨年は目の不調を訴える方の来院が目立ちました。いわゆる「スマホ老眼」や「仮性近視」です。スマホ老眼や仮性近視はこれまでにも何度か触れてきましたが、改めてその発症メカニズムをご説明しましょう。

発症メカニズムは
目にはカメラのレンズに相当する水晶体があり、この水晶体を厚くしたり薄くしたりしてピント調節を行っています。
スマホなどの画面を長く凝視していると水晶体は柔らかいのにピント合わせが難しくなり、老眼のように近くが見にくくなったり、逆に近視のように遠くが見にくい症状を引き起こすのです。
対処法を誤ると
こうした症状を訴えて来院される方に対し、ピント合わせ筋の緊張をほぐして視力検査すると、実は老眼、近視が進んでいないケースがほとんどです。いわば一時的な症状ですので、あわてて眼鏡やコンタクトで調整しようとすると症状は悪くなる一方です。
特にコンタクトは眼鏡よりも近くを見る時の負担が大きくなりやすいので要注意です。
眼科医に相談を
コロナ禍に対応した新しい生活様式では目の負担が大きくなります。異常を感じたら、お近くの眼科医に相談することをお勧めします。


金井たかはし眼科 院長
高橋 義徳
●(たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。
高橋 義徳
●(たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。