徹底して山形に密着したフリーペーパー

医学のうんちく/新型コロナと血液型

2020年12月25日
 新型コロナウイルスは男性、高齢、肥満などと合併すると重症化することが報告されていますが、血液型との関係にも注目が集まっています。

感染しやすいA型?

 中国・南方科学技術大学の研究チームが、武漢・深圳のコロナ感染者2173人と非感染者2万7080人の血液型を比較したところ、A型の人は感染リスクが高く、O型の人は低いことが分かりました。
 デンマーク・オーデンセ大学の研究チームが、同国のコロナ感染者7422人の血液型と非感染者220万4742人の血液型と比較した結果、人口の42%がO型だったのに対し、コロナ感染者のうちO型が占める割合は38%でした。
 他の血液型では人口分布よりも感染者の占める割合が1~2%高く、O型の人は感染リスクが低いことが分かりました。

医学のうんちく/新型コロナと血液型

重症化しにくいO型?

 イタリアとスペインの研究チームは、重症新型コロナ感染患者1610人と2205人の健常人の遺伝子情報を分析し、3番染色体と9番染色体に重症化と関係する遺伝子領域を発見しました。特に、9番染色体の遺伝子領域はABO血液型の決定に関与します。
 A型の患者では他の血液型に比べて重症化するリスクが45%高く、O型の患者では他の血液型に比べて35%リスクが低下していました。
 カナダ・ブリティッシュコロンビア大学の研究チームの調査でも、A型やAB型の患者は、O型やB型の患者と比べて重症化しやすいことがわかりました。

真逆の報告も

 一方で米・マサチューセッツ総合病院の研究では、血液型と新型コロナの重症度の関係がないことを報告し、コロンビア大学の研究チームは重症者がO型により多いことを報告しています。

結論には時間

 コロナと血液型の関係について結論を下すには時間が必要なようです。


医学のうんちく/新型コロナと血液型
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次
(ささがわ・いそじ)1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。