《おしえて!編集長》 CoCo21の跡地って?
2007年11月23日
私、山形市七日町を歩いていて、いつも気になっていることがあるんです。それは大沼デパートの北側のところで、「マンション建設予定地」の看板がかかっているのに工事がいっこうに始まらない。いったいどうなってるの? 教えて編集長!


「毎回、毎回、なんでもかんでも俺に聞くな!(怒)。 知らんよ、住友不動産じゃないんだから」
地権者は三社
「もともとあの一角には地上8階建てのビルが建ってて、当初はジャスコ、ジャスコ撤退後は商業ビルの『CoCo21』が営業してたんだけど、 老朽化でビルが取り壊されたのが昨年。跡地は8分の5を住友不動産、残る8分の3を靴販売の千足屋、パチンコホールの丸尚が所有している」
住友不動産マンション建設を計画
「住友不動産が土地を取得したのは昨年8月で、当初は地上24階建てのマンションを建設する計画だった。早ければ今年の春に着工し、 来年末から再来年春の完成を目指してたんだけどね」


建材価格上昇が誤算
「住友不動産によれば、昨年8月時点と現在で2つの状況がガラリと変わっていることが影響しているんだって。1つは建設資材の急激な値上がり。鉄筋の値段なんて去年8月は6万円ぐらいだったんだけど、現在は7万円まで上がっていて、27年ぶりの高値だとか。セメント、ガラス、アルミサッシなんかも軒並み上昇しており、当初に見込んでいた建設コストを大幅に上回る状況になってるらしい」
計画は練り直しへ
「住友不動産は明らかにしてないんだけど、そもそも土地取得価格が高かった模様で、1坪当たり100万〜150万円だったという説が有力。 今の路線価は7万円だから確かに高い買い物だよね。でもこうしたコスト高をそのまま分譲価格に上乗せするわけにはいかないから、計画の練り直しに時間がかかっているようだ」

建築基準法改正も影響
「一審と二審で実刑判決が出たんだけど、元1級建築士の姉歯秀次被告が起こした事件って覚えてる?」

「……。姉歯被告が偽装して問題になったのは頭じゃなくてビルの耐震強度!。耐震偽装の再発防止を狙って6月に建築基準法が改正されたことも着工の遅れにつながっているんだ」

業界全体が慎重に
「改正法では高さが20メートルを超える建築物には構造計算の二重チェックが義務付けられ、マンションでは審査期間が長くなった。法改正前は建築確認申請と事前相談に必要な期間は3カ月ぐらいだったんだけど、現在は5〜6カ月に延びてる」
「また法改正前は申請書類を出した後に小さな変更が出てきた場合、書類を修正できるのが普通だった。それが今では再申請して一からやり直す必要があるんだって。それやこれやで住友不動産に限らずマンション業者は慎重になっているらしい」

「住友不動産では粛々(しゅくしゅく)と計画を進めて、年明け早々に建築確認申請を出したいとしている。中心街活性化のためにもがんばってほしいけどね」