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医学のうんちく/有酸素と無酸素の運動

2020年11月27日
 運動には有酸素運動と無酸素運動があります。
 有酸素運動は酸素を取り込みながら長く続ける運動で、ランニング、ジョギング、スイミングなどがそうです。無酸素運動は酸素を使わないで作ったエネルギーで行う運動で、一気に最大限の筋力を発揮するウェイトリフティング、短距離走、筋トレなどです。

使用するエネルギー源

 無酸素運動のエネルギー源が主に糖なのに対し、有酸素運動のエネルギー源は主に体内に多く蓄積されている脂肪です。このためエネルギー切れを起こすことなく長時間動き続けることが可能になります。
 内臓脂肪の蓄積は男性ホルモンの減少を引き起こすことから、有酸素運動による脂肪の消費は男性ホルモンの減少の抑制に有用とされます。

医学のうんちく/有酸素と無酸素の運動

テロメアとテロメラーゼ

 やや難解なお話になりますが、人間の染色体の末端には細胞の寿命を決める「テロメア」という部分があります。細胞分裂のたびに短くなり、やがて細胞は死に至りますが、テロメアの長さを維持する酵素にテロメラーゼというのがあります。
 独ライプツィヒ大学の研究チームは2019年、30~60歳の健常者に6カ月間、ランニングなどの有酸素運動と筋トレなどの無酸素運動を行わせ、テロメアとテロメラーゼについて測定しました。

加齢を抑える効果が

 それによれば、有酸素運動群は無酸素運動群に比べ、テロメアは延伸、テロメラーゼは活性化していることが認められました。有酸素運動は細胞レベルで加齢を抑える効果があることが分かったのです。

バランスよく運動を

 一方で、筋肉を動かす無酸素運動も男性ホルモンの分泌を促すことが知られています。
 つまり、有酸素運動と無酸素運動を無理なくバランス良く長期間行うことが、加齢予防に有用なようです。


医学のうんちく/有酸素と無酸素の運動
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次
(ささがわ・いそじ)1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。