Let´s know 脳!/新型コロナと頭痛
特徴的な症状ではなく
新型コロナに感染すると喉の痛み、咳などの呼吸器系の症状に加え、時に味覚障害などの症状が報告されています。
本題の頭痛ですが、入院した新型コロナ患者で頭痛を訴えた人は10~30%だそうです。頭痛は両側性の頭痛で、一般的な鎮痛剤は効果が少ないとのことです。
ただ一般的なかぜやインフルエンザでも頭痛は伴うため、味覚障害と同様、頭痛が新型コロナ感染に特徴的な症状ではないと考えられます。

片頭痛患者の場合
片頭痛患者が新型コロナ感染症になった場合、いつもの片頭痛の痛みとは異なり、普段の片頭痛の治療薬が無効で、その後1週間後に発熱、咳、筋肉痛などの症状が出ることが少数ながら報告されています。
氾濫する情報
ネット上では、新型コロナに感染した場合「イブプロフェンを服用すると危険」「ARBと呼ばれる降圧剤は危険」といった書き込みが目につきますが、それらはかなり高容量の薬剤が使用された場合と思われます。
普段の診療で積極的に使用を制限することに関しては否定的な意見が多くなっています。
マスク使用には工夫も
新型コロナで学校の休校、在宅勤務など生活様式は大きく変わりました。コロナに対する不安や生活の変化がストレスになり、片頭痛の日数や緊張型頭痛が増えた患者さんもいます。
また着用が日常化しているマスクの素材が合わないと顔が熱くなったり、耳にかけるゴムが負担になって頭痛が誘発されることもあります。
外出時にはマスクを着用することは大切ですが、車内で1人でいる時などはマスクを外すなどの工夫も必要でしょう。


TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤
●(さとう・あつし)2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。