徹底して山形に密着したフリーペーパー

山形いのちの電話 常務理事・事務局長 永澤 孝さん

2020年10月9日
永澤 孝(ながさわ・たかし) 1949年(昭和24年)村山市生まれ。山形南高から明大政経学部に進み、卒業後の72年山形県庁職員に。商工労働部。県立新庄病院事務局次長、県立日本海病院事務局長などを歴任し2010年3月に県庁を退職、同年4月から15年3月まで県社会福祉協議会常務理事・事務局長を務めた。19年5月から現職。71歳。
山形いのちの電話 常務理事・事務局長 永澤 孝さん

自殺予防のため電話相談活動
 やりがいのある仕事にご協力を

――「山形いのちの電話」について教えて下さい。

相談員はボランティア

 「自殺予防を目的に悩みを持つ人からの電話相談に当たっています。英国が発祥の『いのちの電話』が日本に伝わったのは1971年。東北では仙台、盛岡に続き1994年に設立されました」
 「現在、相談員は93人で、男性24人、女性69人。活動はボランティアで、毎日午後1時から10時まで、6人の相談員が3交代で寄せられる電話に対応しています。相談員1人の実働とすれば月2~3回でしょうか」
――相談員の人って?
 「特別な資格は不要です。ただ相談員になるためには月2回、『傾聴』についての研修と訓練を受ける必要があります。期間は約1年半。それでもやり甲斐を感じてくれる人なら大歓迎。10月から始まった第23期は10人が研修と訓練を受け、将来の相談員を目指しています」
 「これまでに相談員の資格を取得した人は約300人。中には25年前に資格を取得した1期生も現役で活動しています」

心配なコロナ禍

――このところ芸能人の自殺が相次いで…。
 「長いスパンで見れば全国的に自殺者は減少傾向にあります。去年の自殺者数は2万169人で10年連続で減少、統計を開始した1977年以来、過去最少でした」
 「ただ、今年1~6月は前年を下回ったものの、コロナ禍の影響か8月が15.7%上回ったのは気がかりですね」
 「バブル崩壊後の平成大不況や、リーマンショックの時は男性の自殺が多かったのに対し、昨今は社会進出が増えた女性の自殺が目立っているとされます」
――山形の現状は?

山形にも波及か

 「去年の自殺者数は195人で、人口10万人当たりの自殺死亡率は全国ワースト5。1~8月は131人と前年より8人減、全国的に増えた8月を見ても13人と前年を12人下回りましたが、今後どう推移するかは未知数です」
 「相談で多いのは対人関係、家庭内問題、人生観などで、孤立、孤独といったことに悩んでいる人が多い。相談者は男性が女性より若干多いでしょうか」
――全国で起きていることはやがて山形にも。

力を貸してください

 「それは必ず。ここ数年、年間6000代後半だった相談件数は昨年、7000を超えました。コロナ禍でこれから増えていくのは間違いなく、それに対応していくためにも相談員の拡充が不可欠です」
 「自殺を防止するボランティア活動に、ぜひ力を貸してください」