Let´s know 脳!/群発頭痛
診断が難しく
群発頭痛の特徴は①決まった時間に片側だけに発生する②目にも激しい痛みが生じる③涙、鼻水、目の充血、まぶたが腫れて垂れ下がる――などです。1回の頭痛は30分から3時間で、それを過ぎると嘘のように収まるのも特徴です。
報告によると、群発頭痛と診断されるまでには発症から約7年かかり、正しく診断されるまでかかった医療機関の数は平均4.3、群発頭痛以外に受けた診断名の数は3.9だそうです。
流涙や鼻水を伴うことから、眼科や耳鼻咽喉科を受診したり、精神疾患を疑われて心療内科に通院している人もいます。

女性や未成年も増加
群発頭痛は20~40歳代の男性に多く、以前は「女性は発症しない」とされていましたが、女性の社会進出などで性差は縮まっています。
実際、当院で群発頭痛と診断した人は男性86人、女性68人と拮抗しているほか、18歳以下が24人、最小年齢は14歳の中学生で、決して成人男性だけの病気ではありません。
季節の変わり目に多く
群発頭痛は特に季節の変わり目に発症しやすく、当院でも昨年に群発頭痛と診断した人は春と秋で全体の90%でした。
群発期には発作の誘因を避けることが大切で、自分でできる予防策としては頭痛の時期には飲酒、喫煙を控え、入浴を避けることを心がけましょう。
症状を抑えるには
また発作の起きる時期は人によってほぼ決まっているので、医師に予防薬を処方してもらい、その時期に服用するようにすれば発作の頻度を減らすことができます。
多くの方は一度診断すれば1年後、2年後の発作期にも全く同じ症状で受診し、その都度対応しているのが現状です。


TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤
●(さとう・あつし)2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。