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《セピア色の風景帖》 第144回 山形市内の玩具店

2020年9月11日
 かつて山形市中心街にはデパートの玩具売り場のほか、小規模ながら数多くの玩具店があった。
《セピア色の風景帖》 第144回 山形市内の玩具店

 中でも「チャイルドよしのや」「みなくちや」などはテレビCMも流していたことから、新製品が出たり、クリスマス近くになると子ども連れの家族が広くもない店内にひしめいていた。
 「ヒロシモデル」「シバタモデル」などの模型店、駄菓子屋をはじめ文具店や雑貨屋の一部でも玩具を品ぞろえしていたため、子どもたちにとって中心街は玩具や模型がある特別な場所だった。

 だが、県外から「ハローマック」や「おもちゃBANBAN」といった玩具チェーンが進出してくると小規模玩具店は徐々に姿を消し、文具店や雑貨店でも玩具を取り扱わなくなった。
 市内の玩具事情を一変させたのは2000年、ジャスコ山形南店に「トイザらス」が入った時だった。細々と営業を続けていた小規模玩具店だけでなく、中規模チェーン店までもが次々と閉店し、デパートの玩具売り場も縮小を迫られた。

《セピア色の風景帖》 第144回 山形市内の玩具店

 玩具を求めて中心部に集まってきた子どもや家族連れはトイザらスに流れ、中心街は閑散とするようになった。

 子どもの姿が消えた街には、やがて衰退の道が待っていた。(F)