泌尿器講座/前立腺肥大症(上)
2020年8月28日
今回から3回にわたり、ご年配の男性に多い「前立腺肥大症」のお話におつき合いください。
おしっこの出が悪い
若いころに比べ、おしっこの出が悪くなったと感じるご年配の男性は多いのではないでしょうか。私自身、公衆トイレで用を足していて、後から来た人が先に立ち去っていくと、ちょっとした敗北感のようなものを感じてしまいます(苦笑)
そんなこともあり、小心者の私は隣に大先輩が用を足しておられると気を使うことしきり。自分の用が足し終わっても、大先輩が立ち去るまでは用を足している姿勢を続けていたりして…

加齢で肥大化する前立腺
閑話休題。おしっこの出が悪くなるのは前立腺肥大症が関係している可能性があります。
前立腺はおしっこを貯める膀胱の下にある臓器で、前立腺の中を尿道が通っています。この前立腺は加齢とともに大きくなる傾向があり、やがて前立腺肥大症になるケースがあります。
頻尿や失禁にも
前立腺肥大症になると、中を通る尿道が圧迫され、尿の勢いの低下や、尿が出るまでに時間がかかるといった「排尿困難」などの症状が出現します。
症状が悪化すると、何回もおしっこに行きたくなる「頻尿」や、尿意が抑えられず漏らしてしまう「失禁」などの蓄尿症状が現れることもあります。
セルフチェックを
前立腺肥大症の診断には「国際前立腺症状スコア」というのがあります。最近、おしっこの出方が悪いと感じておられる方はセルフチェックができますのでやってみてください。0~7点が軽症、8~19点が中等症、20点以上は重症です。


いしい腎泌尿器科クリニック院長 石井 達矢
●(いしい・たつや)1999年(平成11年)山形大学医学部卒業。山形大学附属病院、山形市立病院済生館、公立置賜総合病院勤務などを経て、2020年(令和2年)5月いしい腎泌尿器科クリニックを開業。医学博士。日本泌尿器科学会認定専門医・指導医。日本医師会認定産業医。
●(いしい・たつや)1999年(平成11年)山形大学医学部卒業。山形大学附属病院、山形市立病院済生館、公立置賜総合病院勤務などを経て、2020年(令和2年)5月いしい腎泌尿器科クリニックを開業。医学博士。日本泌尿器科学会認定専門医・指導医。日本医師会認定産業医。