徹底して山形に密着したフリーペーパー

Let´s know 脳!/においと頭痛

2020年8月14日
 強い香りによって頭痛、呼吸困難、倦怠感などの健康被害が引き起こされるという、公害ならぬ「香害」が社会問題のひとつになっています。

公害ならぬ「香害」

 日本消費者連盟が2017年7月と8月の2回、においに関する苦情を受けつける「香害110番」を実施したところ、最も多かった訴えが近隣の洗濯物のにおいでした。
 また、シャボン玉石けんが20代から50代の女性を対象に16年に実施した「香り付き洗濯洗剤に関する調査」では、32%の人が人工的な香りを嗅いで頭痛やめまい、吐き気、関節痛などの香害を受けていることが分かりました。

Let´s know 脳!/においと頭痛

芳しい香りが曲者

 実際、どんなにおいが頭痛のきっかけになっているのでしょうか。
 16年に米頭痛学会誌に掲載された論文によると、においで頭痛が誘発される片頭痛患者の割合は90%に及び、その原因は香水が95%、洗剤や柔軟剤が81%と、一般的に芳しいとされているにおいの方が頭痛を誘発しやすいと報告しています。

特に片頭痛患者が被害

 ブラジルで実施された調査によれば、158人の頭痛患者に花のにおいの芳香剤を嗅いでもらったところ、片頭痛患者の34・7%で頭痛が誘発され、片頭痛以外の患者さんでは頭痛が全く誘発されませんでした。ちなみに頭痛はにおいを嗅いでから約2時間後に起きたそうです。

ご自分の香りに要注意

 湿度や気温が高くなるこれからの季節、体臭など周りに不快な思いをさせるにおいについて意識し、ケアすることは社会人としてのマナーです。
 ただ今回ご紹介したように、良かれと思って使っている香水や洗剤、柔軟剤が、実は香害の原因になっていることもあるのです。
 この夏は“3密”を避けるのと同時に、ご自分のにおいにも気をつけましょう。


Let´s know 脳!/においと頭痛
7/24

TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤
(さとう・あつし)2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。