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あなたの目 健康ですか?/(148)目の感染症

2020年8月14日
 うっとうしい梅雨も明け、いよいよ夏本番。この時期に増えてくるのが目の感染症です。

代表的な麦粒腫

 代表的な目の感染症といえば麦粒腫、いわゆる「ものもらい」です。麦粒腫はまぶたにある汗や脂を出す腺に細菌が感染し、まぶたが赤く腫れ、痛みを伴う病気です。
 夏は汗が目に入りやすく、それが気になって細菌が付着した手で思わず目をこすってしまうことが多いために感染が増えると考えられています。
 症状を和らげるにはまぶたを冷やすことです。疲れ目やドライアイでは目を温めることが有効ですが、それとは逆と心得ましょう。症状が悪化しないように早めに抗菌薬入りの目薬や軟膏による治療を行います。

あなたの目 健康ですか?/(148)目の感染症

様々な別称が

 ちなみに「麦粒腫」という病名は、まぶたにできるしこりが麦の形状に似ていることから。通称の「ものもらい」は、“ものをもらうと治る”という江戸時代の民間療法が由来とされます。
 それ以外にも地方により呼び名は異なり、宮城県では「ばか」、大阪府周辺では「めばちこ」、熊本県では「おひめさん」と呼ぶそうです。

結膜炎

 閑話休題。目の感染症としては結膜炎も多くみられます。結膜は上下のまぶたの裏側と白目の部分の表面を覆っている半透明の膜で、この結膜に細菌が入って起こるのが細菌性結膜炎です。それ以外にもアレルギー性結膜炎、ウイルス性結膜炎などがあります。
 共通する症状は目の充血やかゆみ、目やになどです。ウイルス性結膜炎、いわゆる「はやり目」は感染力も強いため注意が必要です。

専門医に相談を

 それぞれ治療法は異なり、症状を感じた時は専門医に相談しましょう。


あなたの目 健康ですか?/(148)目の感染症
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金井たかはし眼科 院長
高橋 義徳
たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。