あなたの目 健康ですか?/(147)涙の役割
2020年7月10日
7月3日は「なみだの日」でした。目の健康に重要な役割を果たす「涙」について広く知ってもらおうと、ドライアイ研究会が2016年に制定しました。
目を乾燥から守る
涙の代表的な働きは目の表面を乾燥から守ることです。涙が少なくなったり、目の表面で涙の安定が悪くなると乾燥から目の表面を十分に守ることができず、治療が必要になります。いわゆるドライアイです。
ドライアイになると見え方の質が低下するほか、目の疲れの原因になることがあります。特にパソコンやスマホなどの情報端末を使用している時に症状がでてきます。またエアコンを使用するようになると症状がきつくなります。

傷を治す働きも
涙には目に酸素や栄養を供給したり、目の表面の傷を治したりする働きもあります。鏡をみると目の表面である角膜、つまり黒目には血管がないことが分かると思います。血管がないので必要な酸素や栄養は涙で運ばれます。
涙が少ないと目の表面が酸素不足、栄養不足になったり傷が治りにくくなったりするのです。
感染から目を守る!
新型コロナウイルスがいまだに収束の兆しをみせませんが、涙にはウイルスや細菌感染を防ぐ役割もあります。涙は物理的に異物を洗い流す作用があります。
それだけにとどまらず、涙には殺菌作用のある「リゾチーム」という酵素や「ラクトフェリン」というたんぱく質も含まれています。ラクトフェリンはヘルペスウイルス感染から目を守ることが報告されていて、コロナウイルスに対する働きも注目されています。
涙を大切に
感染予防が叫ばれる中、涙を大切にするよう心がけてください。


金井たかはし眼科 院長
高橋 義徳
●(たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。
高橋 義徳
●(たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。